東京都・日暮里でおでんの屋台を引く、８７歳の吉田さん。いつもの場所、公園の脇で午後４時に開店すると、お腹を空かせた子どもたちが集まってくる。５０年間吉田さんに見守られてきた公園で遊ぶ子どもたちはやがて大人になり、自分の子どもを連れてくることもある。そんなお客さんは吉田さんの自慢。ところが、猛暑の中も休まずに営業を続けた吉田さんは疲労から肺炎を起こして入院してしまう。

投げる、打つ、走る。グラウンドで白球に食らいつく９人の「球児」たちの年齢はあわせて５００歳。２７回目を迎える「全県５００歳野球大会」で大会初の３連覇を目指す強豪・横手クラブを中心に、一つのことに熱中し、目標に向かって走り続ける高齢の選手たちの姿を追う。◆選手９人の年齢が合計５００歳を超えていなければならないというルールがあるため、選手交代は電卓片手に行われる。横手クラブは平均年齢が高く体力的には不利だが、相手にヒットを許さないエースピッチャー藤原さんを擁する強豪チームだ。しかし、突然のアクシデントがエースの身にふりかかる。

仏教の経典を現代語で訳した本「生きて死ぬ智慧（ちえ）」を著した柳澤桂子さん。柳澤さんが科学者の視点から、また死の淵をさまよった自身の長い闘病体験を通して、日本人にとって最も身近なお経のひとつ「般若心経」の深遠な世界に迫る。般若心経に詳しい龍源寺の僧侶・松原哲明さんとの対談も紹介する。

東北と新潟の「ことば」にまつわる物語に深く入り込み、その魅力を発見する知的エンターテインメント番組。毎回１つの方言をピックアップし、地元局のアナウンサーがその歴史や使われ方をレポートする。案内役はコージー冨田。東北６県と新潟県でブロックネット。（２００５年４月２日放送開始）◆「たがっちょ」とは、山形県新庄地方で「竹馬」を指す言葉。「たけうま」を意味する古語「たかあし」が変化したと考えられる。高いを意味する「たか」が変化して「たが」になり、地方色ある接尾語の「ちょ」が付いた。ユーモラスで遊び心のある響きを持つ。「たかちょ」と呼ばれることもある。この他、秋田県と青森県の境では竹馬のことを「がらんちょ」。新潟の中越では「たがんぼー」などと呼んでいる。

高校中退者を積極的に受け入れることで有名な北星余市高校の元教師、岩本孝一さん。脳内出血で倒れて身体が不自由になった岩本さんが、２００５年に妻と一緒に「明日へ　Ｔｏｍｏｒｒｏｗ」と題した作品展を開いた。震える手で描いた力強い絵や発行し続けた学級通信などが展示された会場には、全国から卒業生たちがかけつけた。中退者受け入れのきっかけを作った岩本さん・通称ガンさんの、受け入れ１年目から取材してきた映像を交え、生徒と格闘し、笑い、涙し、教育を熱く語ってきた姿を通して、教育とは、人生とは何かを問う。

大分県・高崎山自然動物園。そこで働く案内係の目を通して、サル山の魅力を紹介する。◆大分市と別府市の境にある高崎山。そこに野生のニホンザルを間近に見ることのできる動物園がある。高崎山に暮らすサルは約１２００匹。そのうち７００匹ほどが動物園に餌をもらいにやって来るという。松井猛さんは動物園を訪れた人たちにサルの生態などを説明する案内係。この道３０年のベテランである。定年退職を控え、これまで記録してきたサルたちの写真などを後輩に託す一方、体験学習を通して子どもたちにサルの暮らしぶりを教える日々が続く。退職後は、高崎山周辺のサルの生態調査をして、地域住民との共存に役立てたいと考えている。

東海３県を中心に、昭和３０年代から平成初期の世相を振り返るミニ番組シリーズ◆共通一次試験の様子／合格祈願のみそぎをうける親たち／名古屋大学生協／学生生活

秋田市で「幸炎窯」を営む陶芸家の高橋さんは、自閉症の息子が養護学校を卒業したのをきっかけに、それまで経営していたファストフード店１０店舗を手放し、その資金を元に穴窯を構えた。「幸炎窯」という名前には、「子どもと一緒に幸せに焼き物の仕事をする」という思いを込めたという。