日本の食文化に無くてはならない“マグロ”にかける人たちの情熱を、照英と芳本美代子が日本各地とスペインに追い、マグロの昨日・今日・明日を見つめる。◆近海生鮮マグロの水揚げ高日本一を誇る宮城県塩釜港。巨大消費地・東京から遠く離れた三陸の港町が、どうしてその地位を守り続けてこられたのだろうか。それはマグロの目利きであるセリ人たちの力によるという。日本一と自負する目によって近海マグロを選別し、良いものであればどこよりも高く買い上げてきた。

東海３県を中心に、昭和３０年代から平成初期の世相を振り返るミニ番組シリーズ◆名古屋・星ヶ丘デパートの新規オープン待ちの行列／岐阜・多治見、ちんどんやさん／中日球場、中日が２０年ぶりにセリーグ優勝、ロッテとの日本シリーズ開幕／米の買いだめ

親とはぐれたニホンカモシカの仔を育てる自然保護員の姿を通し、人間と野生動物とのかかわりのあり方を考える。前作「カモシカのロッキー」に半年分の取材を加え、ロッキーとの別れまでを描く。◆２００３年６月、自然保護員の武田さんのもとに、生後１カ月ほどのニホンカモシカの仔が運び込まれた。ニホンカモシカは特別天然記念物に指定されており、飼うことはできない。武田さんは「ロッキー」と名づけた仔を、山に帰せるようになるまで親代わりとなって育てる決心をした。武田さんの夢は宮城県に「野生動物保護センター」を作ることだが、ロッキーとの暮らしでその思いはなお強くなっていく。

宮崎県幸島で、島に棲む野生ザルの調査を半世紀以上にわたり続けている９１歳の三戸さん。半世紀にわたるサルたちの観察から、三戸さんが得たものはなにか。◆生まれてまもなく死んでしまった子ザルを５９日間抱き続けた母ザルなど、サルたちとの思い出は数え切れないという。三戸さんの目に、いまの人間社会はどのように映っているのだろうか。

東北と新潟の「ことば」にまつわる物語に深く入り込み、その魅力を発見する知的エンターテインメント番組。毎回１つの方言をピックアップし、地元局のアナウンサーがその歴史や使われ方をレポートする。案内役はコージー冨田。東北６県と新潟県でブロックネット。（２００５年４月２日放送開始）◆「あっあーい」とは「ごめんください」を意味することばで、山形県の米沢市周辺で使われてきた。語源には諸説あり、初めて会うという意味の初会（はつあい）からきているというものや、遠くの人を呼ぶ「はーえ」「あーえ」というかけ声が重なってできたという説がある。買い物の時にお店を訪問する際のことばとして、宮城県栗原市では「かいす」、山形県全域で「かうー」、青森県上北郡と三戸郡には「かる」「かるえ」などが報告されている。

大分県・高崎山自然動物園。そこで働く案内係の目を通して、サル山の魅力を紹介する。◆大分市と別府市の境にある高崎山。そこに野生のニホンザルを間近に見ることのできる動物園がある。高崎山に暮らすサルは約１２００匹。そのうち７００匹ほどが動物園に餌をもらいにやって来るという。松井猛さんは動物園を訪れた人たちにサルの生態などを説明する案内係。この道３０年のベテランである。定年退職を控え、これまで記録してきたサルたちの写真などを後輩に託す一方、体験学習を通して子どもたちにサルの暮らしぶりを教える日々が続く。退職後は、高崎山周辺のサルの生態調査をして、地域住民との共存に役立てたいと考えている。

日本一のニシキゴイ産地だった新潟県小千谷は、２００４年１０月の中越地震で壊滅的な被害を受けた。鯉の生産者・鯉師の父子が、ニシキゴイの里を蘇らせようと奮闘する姿を追う。◆山中の養殖池で３万匹の鯉を育てていた片岡さん親子は、中越地震でその９割を失った。しかし幸いにも親鯉と呼ばれる産卵用のメスが９匹生き残っていた。自宅が壊れて体育館で避難生活を送りながら、片岡さん親子は再建を目指す。父・哲太郎さんは体調を崩してしまい、大任は息子の太郎さんにゆだねられた。小千谷でも一目置かれる鯉師であった父の背を追いながら、息子は養殖池の復旧工事にとりかかる。

２００４年秋の台風で甚大な被害を受けた世界遺産・厳島神社。その修復に取り組む職人たちや神職の姿、伝統工法を駆使した作業を追いながら、地域の歴史を見直そうとさまざなま取り組みを始めた地元の人々の活動を、中学生を中心にとらえる。