声楽家・佐藤しのぶと音楽評論家の日下部吉彦の二人が、毎回様々なジャンルの「一味違った」ゲストを迎え、その人の積み上げてきた時間に触れる。番組後半は音楽にまつわる楽しいエピソードを紹介する「音楽プロムナード」コーナー。◆この回のゲストは、作家・阿刀田高さん。短編小説にこだわる思いから、奥様との朗読共演の話などを聞く。

東海３県を中心に、昭和３０年代から平成初期の世相を振り返るミニ番組シリーズ◆ジープの人気／空気の缶詰／フグ競走／名古屋納涼夏まつり

失語症の患者と家族、治療に当たる言語聴覚士や会話ボランティアたちが「詩劇・いのちの言葉・響かせて」を上演するまでの日々を追いながら、言葉を失ってなお前向きに、強く生きようとする人々の姿を描く。◆ある日突然言葉が出なくなる、言葉の意味がわからなくなる。脳梗塞や脳出血、頭部外傷などで、脳の言語中枢が損傷して起る「失語症」と呼ばれる症状。治療は言語聴覚士によるリハビリ頼り。日常生活にも不安を抱える患者たちにとって、観客を前に自分たちの思いを伝えることは大きな挑戦だった。

２００４年１０月の新潟県中越地震から１年、ほとんどの住民が避難生活を続けている旧山古志村で、諦めずに米作りに挑む農家の１８０日間を追う。◆地震後はじめて迎えた春、村に戻った住民が目の当たりにしたのは、記録的な大雪で被害が広がった故郷の姿だった。崩れた棚田を前に、それでも米を作りはじめる。地震の前には自宅の目の前だった田に、仮設住宅から１時間以上かけて通う。山古志の人々が『山』と呼ぶ土地にかける人々の心を描く。

対人コミュニケーションなどが困難な脳の機能障害、自閉症。しかし見た目からはわかりにくいため、しつけが悪いと白い目で見られることも多い。自閉症の少年の兄と妹の姿を通して、障害とともに生きることについて考える。◆『「いやあああっ』と金切り声で叫ぶと、弟は交差点に仰向けにひっくり返って泣き始めた。あっという間に人だかり。弟を、そしてぼくたち家族を見つめる顔、顔、顔…」少年の兄が書いた作文には、弟を理解して欲しいという願いが綴られている。

戦後６０年。戦争を知らない女優・石原さとみが、戦争を生き抜いた人・小野田寛郎さんに会い、「戦争」について話を聞く。◆１９歳の石原さとみは当然のことながら戦争を知らない。そんな彼女が訪ねたのは、８３歳の小野田寛郎。日本軍兵士としてフィリピンで終戦を迎えるも、日本軍から武装解除命令がなかったとして２９年間フィリピンのジャングルでひとり戦い続けた経験をもつ。２人は静岡二俣から沖縄へ。小野田は石原を旅に連れ、「戦争」について話していく。石原はその話を通して何を感じていくのだろうか。そして、会話を通してどれ程の「語り継がれるべきもの」を受け取っていくのだろうか。「豊かなはずの日本」に問いかける。

東北と新潟の「ことば」にまつわる物語に深く入り込み、その魅力を発見する知的エンターテインメント番組。毎回１つの方言をピックアップし、地元局のアナウンサーがその歴史や使われ方をレポートする。案内役はコージー冨田。東北６県と新潟県でブロックネット。（２００５年４月２日放送開始）◆「こじはん」とは農作業の合間にとる食事のこと。福島県の中通りから浜通りにかけて使われる。その語源はちょっとした昼飯という意味の小昼飯（こちゅうはん）。今ではおやつという意味でも使われる。大型機械の導入によって日本の農業が大きく変わり始めたのは、今からおよそ４０年程前のこと。それまでの動力は牛や馬。農作業のほとんどが手作業で行われる重労働だった。田植えや稲刈りなど人手が足りなくなる農繁期には、「結」と呼ばれる集落ごとの共同体が力を合わせて一緒に作業を行った。「こじはん」はそんな村落共同体の中で行われていた年中行事だった。「こじはん」の同義語として、多くの地方で言われているのが「小昼（こびる）」。この他、岩手県では「こわいこ」や「なかたばこ」。山形県の米沢周辺では「ほちぇかちぇぐい」という言葉がそれにあたる。

自閉症の子をもつ記者が「もっと自閉症のことを知ってほしい」と、軽度の自閉症を持ちながら社会で働く青年、重度の息子と懸命に生きる母親、そして自らの家族を取材した。親ともうまくは意思疎通できないが、ゆっくりと成長していく子供たちの姿を紹介する。◆「自閉症」という名称のために「引っ込み思案」「引きこもり」と混同されやすいが、先天的な脳の機能障害で、新生児１００人に１人以上生まれてくる。外見では障害の存在がわかりにくいため「しつけがなっていない」という誤解を受けて苦しむ親は後を絶たない。人とのコミュニケーションに障害があるため、学校でいじめの対象になることも多いという。