日本に永住帰国した中国残留孤児が呼び寄せた家族が、強制退去を命じられた。中国で結婚した相手の連れ子や養子で、孤児本人と“血縁がない”のが理由。処分の取り消しを求めて国を相手に裁判を起こした一家を追いながら、６０年を経てもなお残る戦後対応の不備を指摘する。◆法務省が定める定住者告示は、中国残留孤児家族の場合、成人した連れ子や６歳以上の養子には定住資格を認めていない。家族は「血」ではなく「絆」だと訴えて、井上家は闘い続けている。（２００５年３月７日、在留許可の取り消しを認めた一審の判決を取り消す控訴審判決が出て、１５日に「上告断念」により勝訴が確定した。）

野生動物の生態や人間との関わりを描いた椋鳩十の動物文学を、詩情あふれる絵にあわせて読み聞かせる番組。◆今回は、キツネの親子と馬方の知恵比べの物語の第１２回。（全１４回）

“ＩＱ”に代わる「頭の良さ」の新尺度“ＰＱ”（知的潜在能力指数）をはかるテストに８人のゲストが挑戦。新しい発想で行き詰った局面を打開したり変化に対応したりする能力を問う。また、正解不正解だけでなく、その回答に至ったプロセスも解説。（２００６年２月２５日終了）◆例題「中国語以外の外国語は話せない添乗員のＡさん、パリへのツアーを何不自由なく終えました。なぜ？」

大正６年、会津若松で生まれた長沢節は、水彩画家、ファッション・イラストレーター、映画評論家、エッセイストなど幅広い分野で活躍した。特に節の描く洒落た洋服姿の女性画は「スタイル画」と呼ばれ、戦後の日本ファッション界に大きな影響を与えた。◆長沢節が作った美術学校「セツ・モードセミナー」は、第一線で活躍する有名なクリエーターを数多く輩出したため、伝説の学校と呼ばれている。生涯独身を通し「セツ美学」と呼ばれる独特の美意識をもった彼のライフスタイルは、多くの人に影響を与えている。◆番組では長沢節が歩んだ自由な生涯と、その功績を作品と共に紹介する。

人間と９８パーセント以上同じＤＮＡを持つ「進化の隣人」ボノボ。その研究は動物生態学の域から「最初の人類」「人間とは何か」を探求する社会学・哲学の域に及ぶ。しかし生息域のコンゴが内戦に陥り、現地調査が長く中断された。１０年ぶりに現地を訪れた日本人研究者に同行し、文明と自然、その葛藤と危機、ボノボと研究者、それを取り巻く村人の生活を取材する。◆２００万年前にコンゴ川でチンパンジーと隔絶されたボノボは、「闘争」ではなく「宥和」行動で種の繁栄と永続を目指そうとするかのような生態をもつ。現地には「ボノボは人の祖先」という民話があり、狩られることがなかった。

白河市出身の現代人形創作の先駆者、川崎プッペの近代人形界に残した功績を追う。◆近代人形界の第一人者として常に先頭を走り続けたプッペは、東京の工芸学校を出た後に学んだ彫刻などの技法で新しい人形の世界を作り出し、その個性的作風は異彩を放った。昭和８年には人形研究所を設立し、舞台人形や舞踏仮面も制作する一方、銀座で人形作家としては初の制作講習会なども開き近代人形界に大きな功績を残した。

ＳＢＣライブラリー保存の映像により、昭和３０年代からの信州の歴史、人々の暮しぶりを伝える。

漢字研究の第一人者で福井市出身の白川静さんが、文化勲章を受章した際の記念番組。白川さんの生い立ちや漢字との出会い、「愛」や「哀」など身近な漢字の起源などを聞くインタビュー。年齢を感じさせない壮大なスケールで、東アジア漢字文化圏を語る。