がんの治療を続けながら教壇に立ち、全国各地へ講演に赴いて北海道農業の可能性を育て続けた「野菜博士」こと相馬暁さん（２００５年３月１０日死去、６３歳）の日々を追ったドキュメンタリー。◆有機農法、減農薬農業を提唱し続けた相馬さんのがんが判明したのは２００３年７月。自らが中心となって設立した短大の新規就農コースの教え子が巣立つまでは、と治療を受けつつ教壇に立ち、就農希望者を支援する奨学金制度の設立に奔走した。卒業生に証書を手渡す夢は叶わなかったが、その思いは確かに受け継がれている。

戦後最大の司法改革と言われた裁判員制度。一般から選ばれた裁判員が重大犯罪を裁判官とともに裁くこの制度を２夜連続で考える。第一夜はドラマ編。◆ホームレスの男性が、コンビニエンスストアを経営する老人を口論の末転倒させ、死に至らしめた傷害致死事件。大手商社の人事部長、就職浪人中の女性、もと電車運転士ら６人が裁判員になった。被告人は詳細を語ろうとしない。現場そばの監視カメラには、バットを持った被告人が映っていた。はたして正当防衛が成立するのか。

２００４年１０月の新潟県中越地震で被災した店に密着、その後の一年あまりをデジタルカメラで追うドキュメンタリー。◆国道沿いの店には店主の個性が溢れ、地元の旬にこだわったメニューはピザ、ソバ、山菜、川魚と何でもあり。そんな店が地震で全壊、しかも年明け早々に火事を出してすべてを失ってしまう。店主の涙、笑顔、一喜一憂を通して、その店が地域復興のシンボルとなっていく様子から、人間の弱さと強さをかいまみる。

２００５年４月２５日、ＪＲ福知山線で発生した脱線事故は、１０７人の命という責任をＪＲ西日本に負わせた。再発防止のために何が必要か、何ができるのか。運転士や元保線員など、現場の職員たちが重い口を開き始めた。◆収益偏重の会社の体質。過密ダイヤによる運転士へのプレッシャー。鉄道マンとして危機感を抱きながらも、サラリーマンでもある彼らは警鐘を鳴らす勇気がなかったという。

広島出身の大学４年生が、高校から大学に進んで箱根駅伝に挑むまでの６年間を追ったスポーツドキュメンタリー。◆空山隆児選手は、早稲田の１年生選手として箱根駅伝に出場、みごと区間賞を獲得した。しかし２年３年と成績が伸びずに苦しむが、高校時代の恩師や周囲の支えを受けて努力を続ける。

長崎県大村市には、かつて東洋一の飛行機工場「第２１海軍航空廠」があった。その忘れられた歴史と、戦後に果たした役割を再発見しながら、平和への指針を探る。◆昭和１６年１０月に開廠した工場では、日本中から集められた技術者や工員、動員学徒などを含めて５万人が働いていた。零式水上観測機、紫電改、流星などが製作され、零戦の修理なども行われていた。しかし昭和１９年１０月の大空襲で焼失、多くの死傷者を出した。戦後、これらの高度な技術は自動車や鉄道、船舶エンジンなどに継承され、日本復興の礎となった。

阪神・淡路大震災後に建設された仮設住宅のひとつポートアイランド第３仮設住宅、通称「ポーアイ第３仮設」に入居していた人々のその後の消息を追う。◆約１３０人いた入居者の大部分は６０歳以上の高齢者だった。被災状況も住んでいた地域もそれぞれ違う人々が、徐々に仲間意識を強め、新たなコミュニティも生まれた。仮設住宅閉鎖から５年、すし店の経営者だった人は店の再会という悲願を果たせぬまま亡くなった。公営住宅に移ったものの、新しい環境になじめなかった一人暮らしの女性は、自治会役員となったのを機にその地域で生きていくことを決意した。

青森県内の小・中学生に、科学に関するさまざまな「身のまわりの素朴な疑問」を募集。スタジオでの実験や各地での調査を通し、クイズ形式で解明していくサイエンス番組。ふしぎ捜査隊長はラサール石井。◆この回のテーマは「なぜ磁石はくっつくの？」「どうして魚はいろいろな色をしているの？」「遊園地のコーヒーカップに乗るとなぜ目がまわるの？」など。