シベリアから６１年ぶりに帰ってきた遺骨。過去と現在をつないだＤＮＡ鑑定と、終わらない戦後を暮らす遺族たち、戦友たちの姿を伝える。◆１９９９年から始まったＤＮＡ鑑定による身元調査で、家族の帰りを待ち続けた遺族のもとへ少しずつ還っていく遺骨。２００５年当時で１１００体の遺骨が鑑定を待っている。国は専門機関を持たないため、作業は大学で研究の合間に行われており、これまで身元が判明したのはわずか６７人にとどまる。

岡山市東区、吉井川畔にある西大寺観音院では毎年２月に神が宿るとされる二本の宝木（しんぎ）を、まわし一つの男たちが奪い合う会陽（えよう）が行われる。宝木を手にすればその年の福を手にできると言われ激しい争奪戦となるが、それを得た男を福男と呼ぶ。福男は毎年替わっていくが、福を求める男たちの事情はそれぞれだ。多くの裸男のうち３人にスポットをあて、彼らとその家族の持つそれぞれの夢に迫る。

鹿児島のマスコミ界ではちょっと知られたある男性を追跡取材。一風変わった生きがいをもち、マイペースで暮らす彼の人生にスポットを当てる。◆彼の趣味は新聞に投稿すること、懸賞に応募すること、そしてテレビに「映り込む」こと。催し物の初日や施設のオープンなど、取材カメラが出そうな現場には必ず現れる。家には自分が映りこんだ新聞記事やテレビニュースの録画が大量に保管されていた。一体何が彼を駆り立てるのか。

駅弁の甲子園と言われる「元祖有名駅弁と全国うまいもの大会」で３５年連続日本一の記録を持つ、北海道森町の名物「いかめし」。日本はもとより海外まで実演販売に出かけていく女性３人にスポットをあて、１年の半分は故郷を離れて旅暮らしをする彼女たちの生活、実演販売の熟練の技を伝える。

日本最古の歌集「万葉集」に収められた歌は約４５００首。５世紀ごろから８世紀にかけて詠まれたもので、当時の人々の姿を伝えてくれる。番組では万葉学者の中西進氏が案内役となり、万葉の歌を奈良県立万葉文化館に所蔵されている万葉日本画とともに紹介しながら、万葉びとの心を訪ね、美しい風景に彩られた大和路を巡る。◆シリーズ２の総集編として「明日香風」「豊浦の萩」「磐余の池の鴨」「いちし咲く葛城」「阿太の秋風」「象山の鳥」「佐保山の波」「三笠山の月」「長屋原の惜別」「三輪山の雲」「衾道の秋」「大和三山」を紹介する。

野生動物の生態や人間との関わりを描いた椋鳩十の動物文学を、詩情あふれる絵にあわせて読み聞かせる番組。◆今回は、少女と子ジカとサルの友情を描く物語の第４回。（全５回）

日本沿岸で大発生している世界最大級のクラゲ、エチゼンクラゲの研究・対策の最前線をドキュメント。謎に包まれていた生態の解明から異常な大発生の謎があきらかにされていく様子を追う。◆エチゼンクラゲはカサの直径２メートル、体重２００キロにもなる。その重さで網が破られて各地で操業停止に追い込まれ、漁業被害は過去最悪の勢い。記録に残る大発生はこの１００年で７回だが、１９９５年、２００２年、０３年、０５年と、この１０年で４回も頻発している。対馬海流にのって北上しながら、３０センチ、５０センチ、７０センチと成長し続ける。国も研究プロジェクトを発足させ、韓国や中国の研究者とも協力して発生地の特定につとめている。

広島に原爆が投下されて２ヵ月、焦土の風景と苦しむ被爆者が日本人の手によって撮影された。現存する未編集フィルムに写された映像と現在の場所を対比し、広島の歴史とともに風化しつつある被爆の実相を伝える。