架空の小藩・海坂藩を舞台に描く、下級武士の子・牧文四郎の成長譚。悲運や陰謀に翻弄されつつも剣を極め、己の道を真っ直ぐに歩み続ける青年の物語。原作：藤沢周平。（２００３年８月２２日～１０月３日放送、全７回）◆第一回「嵐」。時は江戸時代。東北の小藩の下級武士の子・牧文四郎（内野聖陽）は、剣術に励みながらも、隣家の娘・ふく（水野真紀）と淡い思いを育てる日々を送っていた。１８歳の秋、城下を洪水が襲う。義父の助左衛門（勝野洋）が農民のために働く姿を見て、文四郎は父のようになることと誓う。しかし、助左衛門は世継ぎ争いに加担したとして捕らえられてしまった。

九州北部の各地には有名なお菓子処が多い。長崎のカステラ、佐賀のマルボーロ、筑豊の饅頭などなど。これらのお菓子を地図上に落としてみると、長崎から小倉を結ぶ長崎街道に一致する。長崎街道が別名「シュガーロード」と呼ばれる所以である。この道を長崎から出発し、お菓子と砂糖の歴史とロマンを探っていく。出演はコロッケ、橋本志穂、山口もえ。

わたらせ渓谷鉄道が走る群馬の山里にある、日本で唯一の「サーカス学校」に集まった１３人の若者たちの夏を追う。◆蕎麦屋で学費を稼ぎながら学ぶ２４歳の堤さんは、日本では乗り手がいなくなった小一丁ブランコという空中ブランコの習得を目指している。一方、プロの道化師を目指すのは同じく２４歳の香山さん。みな、悩み続けた自分の進路に答えを出そうとしている。

インド仏教の最盛期に造営されたアジャンター石窟群は、同じデカン高原に残るエローラ石窟群と並び、古代インドの石窟寺院の中でも特に芸術性に優れ、１９８３年に世界遺産に登録された。紀元前２世紀頃からのインドの石窟文化は、やがて周辺他国にも影響を与え、バーミヤーンや敦煌といった各国の代表的な石窟の原型ともなっている。アジャンター石窟は１９世紀初頭、トラ狩りに興じていたイギリス人士官が偶然に発見したが、驚くことにジャングルに埋もれていた石窟には仏伝や世相を描いたテンペラ技法の壁画が、１０００年の時を越えて彩りもそのままに残されていた。現在、第一級の文化財として保護され、原則撮影禁止となっているアジャンターの壁画を特別許可を得て撮影。古代インド芸術の頂点といわれる壁画の美を伝える。◆アジャンター石窟群

日本では幻の鳥となったカリガネを通して、人と自然の共存を考えるドキュメンタリー。◆ラムサール条約に登録されている宮城県の伊豆沼周辺には、日本に飛来するガン類の約８割が集まる。一見豊かな自然に見えるが、湿地が激減して行き場を無くした鳥たちの姿である。ガンの仲間であるカリガネは万葉集にも詠まれた身近な鳥だったが、今では年に１０羽程度しか見られない絶滅危惧種となった。そのカリガネが中国湖南省洞庭湖で１万羽以上が越冬している事実を知り、立松和平は中国へ向かう。また、宮城県で実践されている冬期湛水水田の試みを紹介する。

１５歳で角界に飛び込んだもののケガで引退、故郷に戻って高校に入学。相撲同好会を設立した２０歳の青年の挫折と挑戦を描く。◆「ただのデブで終わってえぇんか！」という彼の刺激的な誘い文句に集まったのは、パソコン部の部長に、剣道の元中学チャンピオン、仮面ライダーオタクなど、相撲とは縁もゆかりもなかった生徒９人。土俵はなく、稽古は学校の芝生で行う。文字通り「裸一貫」から走り出した相撲同好会の大会挑戦までの道のりを追う。

今からおよそ１００年前、アラスカ・フェアバンクスから「金鉱発見」の知らせを携えて１８００キロもの道のりを犬ぞりで走破した日本人、和田重次郎。アメリカ中を驚かせた偉業にも関わらず、日本では彼が残した功績はほとんど知られていない。彼の人生の光と影を俳優・宅麻伸が追う。◆愛媛県に生まれた和田は、１６歳のときに一攫千金を夢みて家を出、サンフランシスコ行きの貿易船に密航した。多額の報酬が得られる捕鯨船に雇われて３年、北極圏で日本人と顔立ちの似た「イヌイット」に出会い、彼らと共に暮らすことを決意する。

渡辺徹が南米ボリビアの日本人村を訪ね、日本食レストランを営む一家にホームステイ。古きよき日本の姿を色濃く残す「外国の中の日本」で、本当の「家族愛」を実感する。◆１９６０年代から国策として移住が進められたボリビアには「サンファン」と「オキナワ」という二つの日本人村があり、それぞれ８００人前後の日系の人々が暮らしている。食卓には白いごはんに味噌汁、卵焼き、お漬物が並び、街を歩けばゲートボールに盆踊り。２世・３世にも日本人の心が受け継がれている。