一面の菜の花畑を歩く子どもたちを描いた「遠足」。「壁のある風景」と題された、高く暗い壁の絵。ハンセン病療養所・菊池恵楓園にひっそりと残された数々の絵に込められた、強制隔離という過酷な人生を送った人たちの思いを描く。◆絵を描くことの好きな仲間が集まって、戦後間もなく発足した「金陽会」という絵画クラブ。特別な指導者もなく、会員たちはそれぞれに自分の絵を模索してつくりあげてきた。

行政に頼らない地域おこしのお手本として、次々と表彰されている「やねだん」こと柳谷集落。人口３００人の小さな集落を率いる町内会長のアイデアと住民の共同作業で、みずから福祉や青少年育成などを充実させている。◆この集落では、欲しいものはみんなで手作りする。特にヒットしたのが「土着菌」の製造販売。これで集落に漂う家畜の糞尿の匂いから開放され、さらにそこから生まれた肥料を使ってサツマイモをつくり、その芋を使った焼酎まで作ってしまった。集落を愛するやねだんの人々の心意気を伝える。

盛岡市郊外に住む小学生、横澤駿一くんの夢はバイクで日本一になること。それはいまチェアスキーで活躍する父・高徳さんの夢でもあった。夢が結ぶ親子の物語。◆高徳さんは一流のモトクロス選手だったが、事故で重傷を負い車椅子の生活になった。その時駿一くんは２歳、弟の拓夢くんはお母さんのお腹の中だった。歳月は流れ、バイクに乗りたいと言い出した息子に、高徳さんは戸惑いながらも「中途半端では怪我をする」と本格的な指導を始める。

難病のため太陽の下に出られない歌手志望の女性と、人生の目的を見つけられずに漫然と日々を送る男性が、同級生や主治医、アルバイト先の人々との人間関係で成長していく姿を描く青春ラブストーリー。（２００６年７月１４日～９月１５日放送、全１０回）◆最終回。孝治（山田孝之）の前で、咳きこんで倒れてしまった薫（沢尻エリカ）。呼吸障害の治療のため、気管切開手術をしないと命にかかわると診断される。しかし手術をすれば歌えなくなると知り、薫は悩む。病室を訪れた工藤（要潤）は、麻美（松下奈緒）のステージで「ムーンチャイルド」をデビューさせたいと告げる。メンバーは喜ぶが、薫は命と夢との二者択一を迫られることになる。

日本で犯罪を犯し、他国へ逃亡する外国人。身柄の引き渡し条約が結ばれていなければ、容疑者逮捕ができない。条約締結を求める犯罪被害者の思いとその行動を追い、外国人が共生する都市の問題を考える。◆２００５年１０月、静岡県内で乗用車同士の交通事故が発生し、２歳の女の子が即死した。事故原因は軽乗用車を運転していたブラジル人女性の信号無視だったが、警察が逮捕しようとした時にはすでに帰国していた。日本とブラジルの間には「犯人身柄引き渡し条約」が締結されていないため、容疑者の逮捕ができない状態に陥った。

東海３県を中心に、昭和３０年代から平成初期の世相を振り返るミニ番組シリーズ◆小渕官房長官／昭和天皇崩御／デパート、新年の装飾撤去／名古屋証券取引所、立ち合い中止／国旗の冠頭を隠す黒布の注文殺到／昭和郵便局、昭和最後の消印／名鉄新名古屋駅、切符の日付を変更／印章店に新元号の注文殺到

ＮＨＫ連続テレビ小説第７２作「ファイト」（２００５年３月２８日～１０月１日放送）の総集編。ヒロイン・優が一家離散という逆境に立ち向かい、家族との関係や友情に悩みながらも、馬との出会いを通して夢を見つけていく姿をさわやかに描く。作：橋部敦子。（全４回）◆総集編・第２回「しんじる」。高校生になった優（本仮屋ユイカ）は俊足を買われ、ソフトボール部の大会試合でベンチ入りメンバーに選ばれた。０対０で迎えた最終回、代走の優が本塁に滑り込みセーフ、チームは勝利する。しかし練習で膝を痛めていた優は、引退を決める。一方、父・啓太（緒形直人）はバネ工場の閉鎖後、アルバイトで生活を支えていた。無理をしている啓太を見ていた優は、里夏（垣内彩未）に向かって「お父さんは間違ってない」と主張する。

四国が誇る人々が築き上げた文化、歴史、かけがえのない自然など、毎回１テーマで「四国の至宝」を伝えるシリーズ番組。（２００６年４月２日～２００７年３月２５日放送、全５０回）◆香川県高松市・まんのう町。古の時代から讃岐の人々は水不足に苦しみ、多くの犠牲を払い生きてきた。その遺産というべきものが、日本一の大きさを誇る満濃池だ。大きな川のない香川県。天からの恵みである雨水を確保し、農業用水、生活用水に利用した。讃岐平野に散らばるため池の数は１万を超える。そして高松市香東川のほとりには、近代水道の礎となった建物がある。大正１０年に建設された御殿浄水場（現・高松市水道資料館）。洋風建築のこの建物は昭和６０年には厚生省の「近代水道百選」に、平成９年には文化庁の「登録文化財」に指定された。現在は資料館として、高松市と水との戦いを垣間見ることができる。