千円札の肖像が野口英世に替わって１年半、存在感の薄れた夏目漱石が主婦・みどりに乗り移り、家庭やご近所のトラブルを解決していくホームコメディドラマ。脚本：宮藤官九郎。（２００６年５月２２日～７月１４日放送、全４０回）◆最終回。夏目漱石の墓の前で意識を取り戻したみどり（斉藤由貴）は、夏目漱石が乗り移った状態のみどりである『吾輩』ではなく、以前のごく普通のみどりに戻っていた。みどりが元に戻り、喜ぶ夫のたかし（及川光博）と姑のみちよ（竹下景子）だったが、トラブルを『吾輩』に解決してもらった近所の住民たちは複雑な顔をする。一方、『吾輩』の頃の記憶がないみどりだったが、夏目漱石が残したみどりに宛てた遺書から、その時の出来事とみどりへの思いを知る。後日、みどりが元に戻ったことをミュージカル研究会の先輩であるゆきお（川平慈英）に報告へ行くと、みどりとたかしに思わぬ話が舞い込んでくる。

吉野せいは明治３２年いわき市小名浜に生まれた。教員となったせいは文学に強い興味をもっており、雑誌や新聞などに短歌や短編を投稿していた。しかし農地を開墾しながら詩人として生きる三野混沌と出会い、結婚してからは書くことを封印し、農民として厳しい生活の中で真実だけを見つめ生きた。◆それから５０年。夫の死後、せいに執筆活動を再開させたのは、詩人の草野心平だった。厳しい開墾生活を生き抜いてきた吉野せいの人生そのものを描いた『洟をたらした神』は、大宅壮一ノンフィクション賞と田村俊子賞という２つの大きな文学賞を受賞した。その受賞は昭和５０年。突然現れた７６歳の新人は、文学界に大きな衝撃と感動を与えた。◆番組ではせいと親交のあった人々や、劇化されたときにせい役を演じた手織り座の宝生あやこさんにインタビューし、せいの生涯を紹介する。

ニュース番組の現場を舞台に、アンカーの座を巡って、また想いを寄せる男性を巡って、繰り広げられる人間関係を明るく華やかに描くドラマ。脚本：坂元裕二（２００６年４月１７日～６月２６日放送、全１１回）◆最終回。春香（天海祐希）は自局の贈収賄疑惑をスクープした。しかし、会長である結城英雄（伊武雅刀）は事件への関与を否定し、上層部全員の辞任とともに春香たちが作りあげてきた「ザ・ニュース」は打ち切りとなってしまう。そんな中、英雄の秘書が贈賄の指示を出したのは結城雅人（谷原章介）だと供述する。雅人は自らの父親である英雄の罪を被ろうとしていたのだった。そして春香は雅人を助けるため、柴田（児玉清）とともに英雄を訪ねる。

青森県内の小・中学生に、科学に関するさまざまな「身のまわりの素朴な疑問」を募集。スタジオでの実験や各地での調査を通し、クイズ形式で解明していくサイエンス番組。ふしぎ捜査隊長はラサール石井。◆この回のテーマは「速く走れるようになるにはどうしたらいいの？」「スキーはどうしてよく滑るの？」「雪はどうしてできるの？」「静電気はどうして起きるの？」「音はどうして聞こえるの？」「ブーメランはどうしてもどってくるの？」など。

現在の長野県安曇野市に生まれ、日本の近代彫刻のパイオニアと呼ばれた明治の天才彫刻家・荻原碌山。没後１００年が近づく今も、なお大きな影響を与えている。その人生・作品に影響を受けて生きる現代の人々の様々な姿を追う。

人生に訪れるかけがえのない大切な一瞬。その一瞬を迎える直前のドラマティックな５分間をスリリングに描く、５分×５話のドラマシリーズ。◆定年を迎えた中学校の美術教師（夏八木勲）が、美術室に置いた自作を処分している。あと五分で作業を終え、学校を去るというとき、日ごろから美術教室によく遊びに来ていた生徒（福田麻由子）が現れる。生徒は目立たない場所に置かれていた絵を見つける。何枚もあったが、モチーフはいずれも翼だった。

数々のヒット曲を世に送り出し、戦後の日本の歌謡界をリードしてきた猪俣公章は、昭和１３年、会津板下町で生まれた。◆その後父親の転勤に伴って福島市に移り住む。中学の頃から音楽家を目指し、難関といわれる東京の開成高校に入学。日本大学芸術学部音楽科を経て、古賀政男に師事した。演歌が好きで、森進一にはデビュー作「女のためいき」をはじめ、「港町ブルース」「おふくろさん」などのヒット曲を提供している。他にもテレサ・テン、藤圭子、水原弘、五木ひろしなど有名な歌手のヒット曲を手がけている。◆猪俣は自宅に弟子を住まわせ、歌のレッスンは勿論、社会人としての礼儀作法もおしえていた。内弟子として修業を積んだ坂本冬実さんのインタビューなども含め、猪俣公章の功績や人柄を紹介する。

重度の障害を逆バネとして前に進む女性と、彼女を支える看護学生たちの交流を中心に、支えあいながらともに生きる人と人とのかかわりの形を描く。◆南国土佐の高知の夏、ひときわ熱い「よさこい」の乱舞の中、大きな拍手を浴びるチームがある。障害を持つ人たちが参加している「てんてこまい」、リーダーの上田さんも車椅子の生活で、胸から下の感覚がない。医療ソーシャルワーカーとして働く彼女は、自分の経験をもとに事故や病気で悩む人たちの心によりそって仕事をしている。そして彼女の生活も、介助なしには成り立たない。看護学科の学生たちが実地研修を兼ねてサポートし、先輩から後輩へと引き継いで１２年になる。“生きた教材”であると同時に、学生たちの相談役でもある。