岩手県北部の中心都市でありながら過疎が進み、ＡＭラジオも入りにくい二戸市。地域活性化の活動を続けてきた有志が、情報共有ツールとしてコミュニティラジオ局の設置を思い立った。小さなＦＭ局が走り出すまでの歩みを追う。◆地域の５市町村を線でつなぐとＷ型のカシオペア座のかたちになることから、ミニ独立国「カシオペア連邦」を名乗る二戸地域。株式会社を作るだけの経済力もない地域のため、特定非営利活動法人・ＮＰＯで運営することを決め、資金集め・スタッフ集めに奔走する。

北九州市の豊かな自然の中にある、全校児童あわせて４人の小さな小学校。少人数を逆手にとって、それぞれの個性を伸ばすことを主眼にしていたが、前年の市議会で廃校と決まった。児童が１人だけでも存続したのに、なぜいまなのか。改革のもとに「無駄なもの」と判断された分校が、まもなく廃校を迎える。◆春には野外で英会話、夏には鍾乳洞の社会科見学、秋は校庭に植えたさつま芋掘り、冬は名産のソバ粉を使ったソバ打ち体験と、豊かな自然を生かした授業が受けられた学校。廃校後の校舎では、構造改革特区（教育特区）で市に誘致された私立の小学校が開校する予定になっている。子供たちはそれぞれ転校せざるを得ない。

四国が誇る人々が築き上げた文化、歴史、かけがえのない自然など、毎回１テーマで「四国の至宝」を伝えるシリーズ番組。（２００６年４月２日～２００７年３月２５日放送、全５０回）◆寺の門前町として成立し、小田川の水運を利用した農産物の集散地だった愛媛県内子町。江戸時代から明治の中ごろまでは和紙と木蝋の産地として栄えた町。当時の面影を今も大切に守り続ける町の人たちの姿がここにある。大正５年に建てられた内子座。８０年の歳月によって舞台、奈落、舞台裏、建物全てが堂々と何かを語りかけてくる。

北陸の一見地味な県・富山に秘められた魅力的な人間や資源を紹介、後世に残すべき庶民レベルのグルメ・人物・景観・芸術を見つけ出し、富山遺産として守り伝えようという番組。富山県出身の女優・柴田理恵が歩き旅で故郷の良さを再発見、ふるさとを見つめ直すきっかけを提案する。（２００５年８月１１日放送開始）◆第２弾のこの回は県西部へ。温かくて懐かしいおでん＆中華そば、里山で贅沢に過ごす農村スタイルの宿、優しい笑顔が生みだすポン菓子、蜂の巣のような民家型ストアなどを紹介する。

山形県内を流れる最上川の四季を、エッセイストの轡田隆史さんが歩く。◆松尾芭蕉も「五月雨をあつめて早し最上川」と詠んだ最上川。芭蕉好きの轡田さんは、「芭蕉の見なかった最上川を見てみたい」と源流から河口までを歩いて旅すると決めた。２００５年４月、吾妻連峰の残雪を踏み、岩にしがみついてたどり着いた「火焔（ひのほえ）の滝」から始まった旅は、桜の春、紅花の夏と続いていく。◆山形テレビ開局３５周年記念番組

奄美島唄の唄者・朝崎郁恵さんには大切にしている歌がある。今は亡き父親が作った鎮魂歌、「嘉義丸のうた」だ。太平洋戦争中の１９４３年５月２６日、大阪－沖縄の定期航路船「嘉義丸」は鹿児島県奄美大島沖で米軍の攻撃を受けて沈没し、３００人以上が命を落とした。その犠牲者を慰めるために作られたのが「嘉義丸のうた」だ。しかし、歌は戦局を不利にするとして、軍から歌うことを禁じられ、事件そのものも公にされることはなかった。その歌を娘の朝崎さんが復元し、歌は大きな反響を呼ぶ。これまで重い口を閉ざしていた生存者や遺族らが当時の様子を語り始めたのだった。６２年の歳月を経てよみがえった鎮魂歌は、人々の思いをのせて歌い継がれようとしている。

同じエピソードを、シチュエーションや秒数など条件を変えて語りなおし、どれも面白くなければならないという「話術王決定戦」。今回は「話術の師匠」たるお笑い芸人と、「町の話術さん」の芸能人もしくはアナウンサーがペアを組んだ「ダブルス」で勝ち抜きを目指す。

ユダヤ教、キリスト教、イスラームの三つの宗教が聖地とする町・エルサレム。世界にふたつとない人類史上最大の聖地を、２回にわたって紹介する。◆エルサレムの歴史は、旧約聖書の時代から、キリスト教の誕生、イスラームの征服、中東紛争にまで至る、奪い合いの歴史だった。世界遺産としても“ヨルダンによる推薦”という異例の登録が行われ、当事国を持たない唯一の世界遺産となっている。◆前編は、ユダヤの都となった古代から現代までを鳥瞰し、聖地の成り立ちとそこにまつわる問題の数々を見つめる「総論篇」。「岩のドーム」の内部などの貴重な映像に加え、アルメニア人地区での礼拝などあまり知られていない儀式や、現在造られつつある「分離壁」など中東問題の現状も紹介。聖地を巡る３０００年に渡る歴史を浮き彫りにする。◆エルサレムの旧市街とその城壁