熊本県ほぼ中央の東陽村は、旧名を種山村という。伝統的に石工が盛んで、全国にその名が知られ、県内だけでも３２０におよぶ石の橋を築いた。九州は台風が多いので、大変な苦労があり、知恵も必要だったという。◆中でも天才とうたわれたのが、１５０年前に現れた橋本勘五郎。その住家の大黒柱は石造りである。皇居の二重橋の造営にも参加し、通潤橋が代表作だ。山から水をひき、この橋の水路を通して、田畑に配った。◆東陽村の名物は生姜。今日も山の水が、勢いよく橋から流れ落ちる。◆通潤橋【重文】、種山石工

北海道で解雇撤回闘争を続ける国鉄労働組合（国労）組合員たちを追う。◆２０００年７月、紛糾する国労の臨時大会で一人の女性が演壇に駆けのぼり、「今なぜ国労本部は闘いをやめようとするのですか！これでは私たちが悩み苦しんだ１４年がすべて無駄になるんです」と叫んだ。国鉄が１９８７年に分割民営化された際、国鉄と国労は対立。北海道と九州では国労組合員の半数以上がＪＲに採用されなかった。国鉄精算事業団に送り込まれた彼らのうち１０４７人が３年後に解雇されたため、解雇撤回を求めて闘争団が結成された。臨時大会で登壇した女性は、北海道音威子府の闘争団員の妻だった。ここでは４８人の元国鉄マンとその家族が、羊羹や木工クラフトを作りながらＪＲへの復帰を求めている。

明治以来、北野町に建つ異人館の数々。屋根の風見鶏で有名な、ドイツ人の貿易商トーマス氏の住宅は、今は文化遺産になっている。各国の様式で建てられた家を眺めていると、当時の日本人大工さんの器用さに感心させられる。初めて牛肉を売りスキヤキの元祖となった大井肉店、伊藤博文の服をつくった柴田音吉洋服店も、神戸の店だ。◆阪神淡路大震災で大被害を受け倒壊した異人館は、アメリカ在住のバイオリニスト金関さんの活躍などで、昔ながらに復活をとげた。◆風見鶏の館【重文】、萌黄の館【重文】、うろこの家、シュウエケ邸

毎週、勝手にひとつの街を選んで徹底取材。ドラマチックかつロマンチックにアドバタイズ（宣伝）するＣＭを作り、その街の魅力を広告しようという、自称「地域密着系都市型エンターテインメント」。（１９９５年４月１５日開始）◆１９８０年代後半のアメリカで起こったアウトレットブームは、９０年代に入ってから日本でもブレイク、その中心が相模原。ベッドタウンとしていまだに人口が増加しているが、ここを流れる相模川は富士山の雪解け水を貯えた山中湖に源を発し、河口まで総延長１１３ｋｍの神奈川県でもっとも長い川。市内の西側を１３．７ｋｍの流れ、川に沿って散策路がある。川には鮎が生息し、解禁日の６月１日から釣り客でにぎわう。

鎌倉の魅力を地元局の視点で紹介する。◆ヴェネチアングラスと写真の美術館、北鎌倉小瀧美術館を紹介する。

これまで紹介した九谷焼、加賀獅子頭、金沢表具、金箔、田鶴浜建具を振り返るとともに、珠洲の切り出し七輪を紹介し、さらに伝統工芸のこれからについて考える。◆珠洲の切出し七輪は、下の風口から空気が入るとすぐ真火になり、火力が強い。しかし、自然の珪藻土を切り出し刳り抜いて造るので、量産ができない。◆石川県伝統産業工業館は３６業種の製品、制作行程、道具など４００点を展示し、県が誇る職人の技を一堂に見ることができる。問題は後継者不足と新商品の開発である。

１９８７年６月１日の放送開始以来、６０００回を超えて続く長寿ミニ番組。列車での旅を通して、美しい風景とそこに住む人々の生活を描く。◆今回は「モ・イ・ラーナ」と題して、スウェーデン・ノルウェーをイェリヴァレ・ナルヴィク、ボードー・トロンハイムと旅する道のりを紹介する。

中国放送が保有する開局以来の貴重なライブラリー資料と、視聴者の手元に眠る映像から、２０世紀の広島県を振り返って、さまざまな顔やイメージからとらえた広島を２１世紀に伝える。◆この回は「架橋建設の夢」。