親潮、黒潮など普段耳にする“表層海流”の下を流れる“深層大海流”を追って北の果て・アラスカから南洋のマダガスカルまでを旅し、地球規模で進むさまざまな環境破壊の実情に迫る。◆約２千年をかけて深層の海底を巡る深層大海流。赤道で温められた海水を極地へ、また極地で冷えた海水を赤道へ運び、熱分布の偏りを減らして気候を維持安定させている。また、極地で冷えて沈んだ海水には、海底の豊富なプランクトン、ミネラルが含まれている。これらをゆっくりと赤道まで運んでいく過程で、海の恵みを世界中にもたらしている。この海流の始まる土地・アラスカのバローで、さまざまな温暖化の兆候を取材。研究所を訪問し、温暖化と大海流の関係を徹底調査する。また、海流が浮上して表層海流と混ざる場所のひとつ・マダガスカルでは、海洋民族の生活を体験し、海の恵みを体感する。しかし、彼らの暮らしも近年揺らぎ始めているという。

２００６年４月から施行される「障害者自立支援法」はその名のとおり障害者の自立就職を促すための法律だが、これまで行われてきた福祉サービスを阻害する事態にもなっている。大阪・寝屋川にある小さな障害者施設「ぼちぼちはうす」には８人の通所者がいるが、新法では２０人以上の利用がないと補助金が出ないため、閉鎖の危機にさらされている。通所者と家族、施設の職員の目を通して、新法の問題点を浮き彫りにする。

家事・育児を任せていた夫が急死し、商社で働くスーパーキャリアウーマンの主人公が苦手な家事や料理に悪戦苦闘しながらも家族の再生を目指す。脚本：福田靖。◆香坂真琴（天海祐希）は夫・哲也（佐々木蔵之介）が専業主夫のスーパーキャリアウーマン。その実力はインターコネクト商事の最年少女性取締役に抜擢されるほどで、家事や育児は全て哲也に任せ、現在は料理に対する豊富な知識とグルメぶりを活かして、社運を賭けたプロジェクトを進めている。しかしある日、哲也が突然の交通事故で急死してしまう。実は家事を全くしたことがない真琴は、慌てて杉野さくら（松坂慶子）の料理教室に飛び込む。しかし、折角作った料理も娘の麻世（福地亜紗美）は食べてくれない。父親が死んで間もないのに仕事をする真琴に対して、麻世の心は離れていき、近所の怪しげな漫画家（武田真治）の家に入り浸ってしまう。さらに部下の泉幸夫（勝村政信）と手掛ける大切な仕事もトラブルが続く。そんな様子を見た姑の春子（赤木春恵）は麻世を引き取ると言い出す。◆ＡＪＩＮＯＭＯＴＯ　ｐｒｅｓｅｎｔｓ

ガーナ出身で、ガーナと日本で教育支援に取り組むアウニさんが、新潟県長岡市の小学校で授業を行った。子ども達に伝えたかったのは、「本当の豊かさとは何か」ということ。外の世界に行き、「本当の豊かさ」を知って欲しい、外から日本を見て欲しいと、アウニさんは２人の男の子をガーナへ連れて行くことにする。最初はガーナの人たちとコミュニケーションを取ることが出来ない、不器用でシャイな２人。しかし、日常の生活、往復５キロ離れた池への水汲みや手洗いの洗濯など家の手伝いをすることで、次第にガーナの人たちに受け入れられていく。そしてガーナの子ども達と思いもよらない手段で打ち解けることに。２人はようやく「言葉が違うだけ」と気づきはじめる。◆Ｔｅａｍ　ＥＣＯ　ｐｒｅｓｅｎｔｓ

三重県の認定も受けた“リサイクル商品”の埋め戻し材「フェロシルト」に、有害な六価クロムや放射性物質が含まれていた。なぜ、こんな事態が起きてしまったのか。様々な取材からその原因とカラクリに迫る。◆ノートや歯磨き粉、車の塗装などの「白色」を作るのに使われる「酸化チタン」。その製造の際にできる廃棄物を原料に製造されていたのが「フェロシルト」で、東海３県や京都などでの埋め立てなどに広く使われた。世界的な企業が作り、県の認定もうけた安全・優良な商品のはずだったが、２００５年に有害物質が含まれていることが判明した。

メディアの特性、情報の伝わり方を知って正しくメディアを読み解く能力「メディアリテラシー」。中学生４人組の「ニュース探検隊」が取材に同行するなどでニュース制作を体験し、「メディアリテラシー」とはどういうものかを紹介する。

一面の菜の花畑を歩く子どもたちを描いた「遠足」。「壁のある風景」と題された、高く暗い壁の絵。ハンセン病療養所・菊池恵楓園にひっそりと残された数々の絵に込められた、強制隔離という過酷な人生を送った人たちの思いを描く。◆絵を描くことの好きな仲間が集まって、戦後間もなく発足した「金陽会」という絵画クラブ。特別な指導者もなく、会員たちはそれぞれに自分の絵を模索してつくりあげてきた。

北海道・苫小牧の脳神経外科医、高橋義男さんは、１０年前から「いけまぜ」という障害児のサマーキャンプに取り組んでいる。「治療するだけでなく、子どもたちを社会に出すまでが自分の仕事」と話す高橋さんの姿を追う。◆「いけまぜ」は、生きるものみんなが混じりあって生きる社会を表現した高橋先生の造語。毎年、中学生以下の障害児とその家族、ボランティアなど７００人近くが集まって一泊二日の合宿をする。この年はニセコ地方の蘭越町、町自慢の温泉に子どもたちを連れていくのが目玉。急な階段やせまい通路など、車いすや障害のある子どもにとってはバリアがいっぱいだが、バリアフリーは施設の問題ではなく人と助け合うことで実現できると考える高橋さんは、人海戦術で乗り越えようと考える。