法隆寺の国宝「玉虫厨子」は１３００年の時を経た今もその輝きを放っている。その玉虫を使った新しい漆芸の美術品を作ろうとしている人がいた。玉虫を使った作品を提案したのは昆虫コレクション２０年の飛騨高山にいる社長。依頼を受けたのは輪島塗の漆芸店。その戸惑いは並々ではなかった。◆数々の試行錯誤、制作変更を重ねて、４年あまり。この間に制作に携わった職人たちは「２０世紀最高峰の作品をつくる」という自負が芽生え始めていた。玉虫に魅せられた男と職人が新しい文化の創造を目指した様子を紹介する。

時代の流れとともに消えようとしている、ふるさと島根・鳥取の素顔、自然、生活、文化、伝承行事などを、映像遺産として後世に伝えるシリーズ番組。◆古くからの宿場町だった淀江町は、地元の良質な竹と手漉きの和紙、たくさんの傘を乾かせる海岸に恵まれ、和傘の産地として広く知られていた。しかし、洋傘の普及により昭和５９年に業者はすべて姿を消した。淀江傘を後世に伝え、ふるさとの伝統をよみがえらせようと発足した「淀江傘伝承の会」は、新しい感覚も取り入れながら匠の技と心を受け継ごうとしている。（鳥取県淀江町）

この先は南ドイツ、という地にあるヴュルツブルク。街の中心に建つレジデンツ（大司教の館）は、１８世紀、建築家バルタザール・ノイマンが、バロック様式の粋を凝らした最高峰である。◆３８０人もの宴会ができる地下ワインセラー。そしてグリーンの間、鏡の間、皇帝の間。広大な階段の間の天井画は世界最大で、人々を驚かせた。◆この階段の間の天井は設計ミスと批判されたが、第二次大戦中の空襲に耐え、ノイマンの建築の正しさが図らずも証明された。◆ヴュルツブルクのレジデンツ、その庭園と広場

ピアニストの村松健さんが高崎から鎌倉までの鎌倉街道をたどる紀行番組。このシリーズでは上道・中道・下道のうち上道（かみつみち）約１４０ｋｍを歩く。テレビ埼玉開局２０周年記念企画。◆美里町は古くから瓦造りが盛んに行われてきた。鎌倉時代に瓦を焼いていた窯跡が、国指定史跡として保存されている。ここで焼かれた瓦は、鎌倉市にある頼朝が建立した三大寺院（鶴岡八幡宮寺、勝長寿寺、永福寺）のひとつ、永福寺の屋根に使われていたという。それにしても、１枚１．８ｋｇもある瓦をどのようにして鎌倉まで運んだのだろうか。歴史のロマンを秘める謎である。

西六郷少年少女合唱団をつくった鎌田典三郎さんと教え子たちの絆を描くドキュメンタリー。◆町工場ひしめく東京都大田区に西六郷少年少女合唱団が誕生したのは１９５５年。小学校教師だった鎌田さんは音楽とは無縁だった子どもをスパルタ教育で指導し、全国大会で優勝するまでに育てた。卒団生は４４年間で２０００人にのぼる。しかし、鎌田さんは末期がんと診断され、卒団生を集めたコンサートを企画するが、本番を迎えることなく７０歳で亡くなる。卒団生たちは、スパルタ教育に反発しながらも自信や希望を得た思い出を胸に、練習を始める。

廃屋の銭湯を舞台に、元夫婦の愛憎をコミカルに描くドラマ。（１９９９年８月２５日～９月２２日放送、全５回）◆奈美（辺見えみり）は家に連れ戻され、両親が勧める結婚を承諾する。裕一（加藤晴彦）とサヨ子（市原悦子）は奈美の婚約パーティーに乗り込み、奈美を救出しようと計画していた。裕一はサヨ子に内緒で正太郎（三國連太郎）にも協力を求める。一方、奈美もパーティーで父・小松崎（近藤正臣）を窮地に落としいれようと企てていた。パーティーの日、３人は無事奈美を救出し、正太郎とサヨ子はお互いを見つめ直す。そんな中、正太郎は見知らぬ男に道を尋ねられ、男は銭湯にやって来る。

幾度もの災害に見舞われながらも姫川と寄添って暮らす住民の姿を伝える。◆北アルプスの麓から日本海に注ぐ姫川は、流域に恵みを与える一方で災害の歴史とも重なる。１９９５年、翌９６年と相次いだ豪雨災害は姫川流域に大きな爪痕を残し、中でも長野県小谷村は壊滅的な被害を受けた。しかし、寸断された国道、廃線の危機にあったＪＲ大糸線も復旧。そして姫川温泉も。小谷の里は美しくよみがえった。

視聴者から募集したおすすめのストーリーをアニメ化、出演者たちがその見所を語る。ホスト役は西村雅彦と笛吹雅子。◆第１回は３つの話を紹介。第１話「謎のアルバイト」：舞台は現代の日本。１日１０万円の“謎のアルバイト”をする青年の身に起こる不思議な物語。第２話「三つの宝物」：舞台はヨーロッパのとある王国。３人兄弟が“３つの魔法の宝物”で奇跡を起こす物語。第３話「乗り込んできた男」：舞台は荒涼とした夜の道。車に乗り込んできた謎の男が巻き起こすサスペンスタッチの物語。