旧日本軍の命令を受けた中央気象庁は、真珠湾攻撃があった１９４１年１２月８日から全国の気象情報を軍事機密とした。翌年８月上陸した台風のため、九州では死者８００人を超える大きな被害がでた。これは情報管制が原因ではなかったのか。九州で観測にあたった気象観測員の証言から彼らの苦悩と真実に迫る。

ふるさと石川は、自然の豊かさを持っている。その自然の個性的な素顔を見つめ直し次の世代に伝え残すべき自然遺産を取り上げた。この自然に関わる人たちとともに、「共生」や「共存」に繋がる道筋を考える。◆珠洲市の東山中町。専業で炭焼きを続けている夫婦を中心に、里山での暮らしと自然を紹介する。

江戸幕府最後の将軍となった徳川慶喜の、苦悩と葛藤の半生を描いた大河ドラマ「徳川慶喜」（１９９８年１月４日～１２月１３日、全４９回）の総集編。（２６日終了、全４回）◆御三家の水戸徳川家に生まれた七郎麿は、父・斉昭の政治的野心もあって一橋家の養子となり、長じて慶喜を名乗る。やがて、浦賀沖に４隻の黒船が現れた。幕府は開国の要求を受け入れて日米和親条約を結ぶが、それを弱腰と見た人々の間で攘夷の動きが大きくなる。そんな中、彦根藩主・井伊直弼が大老の職に就いた。

広く関心をもたれる食や健康、次々に登場する最先端の品物について視聴者の疑問や興味に、科学的なＶＴＲとユーモラスでわかりやすいスタジオ解説とで答え、暮らしに役立つ知恵を合点がいくまで紹介する。司会は立川志の輔と小野文恵アナウンサー。◆この回は、和洋中華と幅広く料理に使われる「タマネギ」をおいしく食べ、血液をサラサラにする方法を紹介。タマネギの辛み成分に血液中に生じる「血栓」の量を減らす効果があることがわかってきた。血液サラサラ効果である。しかし、この効果は通常の調理法では失われてしまう。タマネギを細かく切ることで辛み成分と酵素が反応して血液サラサラ成分の素が生まれるが、すぐに加熱すると反応が止まってしまうのだ。タマネギ料理を食べた時に血液に起こる反応を調査し、ある工夫をすれば血液サラサラ効果が得られることがわかった。

時代の流れとともに消えようとしている、ふるさと島根・鳥取の素顔、自然、生活、文化、伝承行事などを、映像遺産として後世に伝えるシリーズ番組。◆隠岐の牛突きの起源は、隠岐島に流された後鳥羽上皇をなぐさめるために地元の人たちが始めたものとされている。都万村で９月１日に開かれる八朔牛突き大会は、壇鏡神社の八朔祭の余興として昔から行われてきた。伝統の行事を絶やすまいと、地元の若者たちが資金を出しあって牛を飼っている。牛突きの牛は地元産の黒毛和牛の雄に限られ、生後１年くらいから鍛え上げられる。体重１ｔ近い牛どうしのぶつかりあいは、その迫力で見る者をひきつける。（島根県都万村）

自然に恵まれた北海道倶知安町で、廃校を利用した自然体験型の宿泊施設「冒険家族」を営む阿南さん。小学校の跡地・校舎とその広いグラウンドに惹かれて、札幌の共同学童保育所の子供たちも数多くやってくる。春、阿南さんは父兄とともに「子供たちのための遊び小屋」を作ることを計画した。小屋作りを通し、大人と子供の心のふれあいを描く。◆資金不足のため廃材を利用することにした。納屋を壊すという話を聞きつけて農家に駆けつけたり、建設会社の社長にお願いしたり、廃材集めに奔走する。夏になって小屋作りが始まると、夏休みの子供たちも参加した。大人たち子供たちの共同作業の中で、大人は子供に何を伝え、子供たちは何を感じ取ったのか。

スリランカの中央平原に、高さ１８０メートルの岩山が一つそびえる。そこはシーギリヤ。獅子の山とされ、紀元前５世紀、カッサパ王の城があった。◆王である父を殺し、弟を追放して、新たな王となったカッサパは、麓には都を、頂きには宮殿を建てた。周辺に描いた５００にものぼる天女の絵。自分は天上の神のつもりか。しかし僅か１７年後、弟の軍隊に攻められて自害した。◆鏡の壁の落書きも世界遺産だ。当時の人々の教養の高さを感じさせる詩の持つ意味合いは深い。◆古代都市シーギリヤ

トレドの街は、スペイン中央部にあり、城砦都市として面白いが、画家エル・グレコの街としても有名だ。◆鐘の音で朝が来ると、教会の天井からさしこむ陽がスポットライトとなって、祭壇は光り輝く。もうひとつのきらめきを放っているのが、グレコの数々の傑作だ。ローマ、ゲルマン、イスラム、さらにフランコ将軍と、侵略を経験した街の歴史は、町屋と路地のつづれ織りのような姿にも現れている。◆一方で、刀剣作りではシェア世界一を誇るが、その中には日本刀も含まれている。◆古都トレド