２人の障害者がいる家族を、障害という視点からだけでなく、親子愛や兄弟愛という視点からもとらえる。◆この一家は５人家族。父は隻腕で片足が不自由だ。長男は自閉症と診断され、かつ知的障害を持つ。しかしこの家族には暗さなど全くない。父は、テニス、ゴルフなどスポーツを人並み以上にやることで強靭な精神力を養った。長男の自立を促すために、必死で励ましつづける家族。特に長女は幼いころから弟を見守り支えてきた。小学校のときに二人で走った町内ロードレースは弟に自信を与え、彼の自立の大きな一歩となった。弟も姉を慕い、頼ってきた。その姉に結婚の話が持ちあがる。

無国籍児の強制送還を通じて、国籍の壁に人生を翻弄される少年の姿を追う。◆長野県小諸市に住むかずお君８歳は、日本人の父親と不法滞在のフィリピン人の母親の間に生まれた。父親は母子を捨てて蒸発。両親が結婚していなかったため、かずお君は国籍を持たない無国籍児として育った。ボランティアの援助で公立小学校に入学したかずお君だが、母親が不法滞在で摘発。かずお君も母親とともにフィリピンに強制送還された。友人との別れを終えてフィリピンに旅立ったかずお君。自分は日本人なのかフィリピン人なのか。日本で生まれ育ち、日本語しか話せないかずお君を、厳しい現実が待ち受ける。

村々の教会の尖塔が高く天を指し、周囲の緑に映えて美しい。◆ルーマニアの最北部、ウクライナと国境を接するマラムレシュ地方の山村は、今も農耕と牧畜で自給自足の生活を営み、古き良きヨーロッパの農村の姿をそのままに残している。◆１６～１９世紀にかけて、この地方は長くハンガリーの支配下にあり、東方正教を信仰する村人たちは、石造の教会の建設を禁じられていた。そこで人々は、樅や樫の木を使い、ルーマニア・ゴシックとも呼ばれるユニークな木造の教会を建てた。◆マラムレシュの木造教会

我が子を殺害され「被害者家族」となった夫婦が、様々な困難に立ち向かいながら再生する姿を描くヒューマン・サスペンス・ドラマ。（２０００年７月６日〜９月１４日放送、全１１回）◆第一章。丘咲優美（鶴田真由）と夫・孝（仲村トオル）、そして小学生の娘・つぐみ（春名美咲）。新居を購入した３人家族は、たくさんの希望を持って新しい街に引越してきた。つぐみを診てくれた歯科医・吉村（金子賢）の優しさに優美は初恋の人を思い出すが、吉村には以前、女性患者との間にセクハラ事件を起こした過去があった。その吉村が優美にしつこく付きまとうようになる。一方、まだ同級生に馴染めず、不審な男に声をかけられたりしていたつぐみが、突然に姿を消す。

新人自衛官の一人に焦点を当てながら、教育隊の過酷な訓練に挑む女性海上自衛官たちの日々を描くドキュメンタリー。◆海上自衛隊横須賀教育隊。ここには全国で唯一女性を訓練する部隊がある。２０００年４月、１０倍を超える倍率を突破した女性８５人が入隊した。就職難だからと自衛隊を選んだ女性や、男社会を見限って会社を退職してきた女性もいる。平均年齢２０歳の彼女たちは、海上自衛隊に何を求めたのだろうか。銃の訓練では、殺人者の手になったようだと悩む。ある女性新人自衛官の卒業までの４ヶ月と、卒業後、練習艦「おおくも」に配置された彼女を追う。

中国放送が保有する開局以来の貴重なライブラリー資料と、視聴者の手元に眠る映像から、２０世紀の広島県を振り返って、さまざまな顔やイメージからとらえた広島を２１世紀に伝える。◆この回は「ヒロシマと文字」。

すごい火花である。夜空を染めるそのすさまじさに圧倒される。静岡県の最西部、新居町。ここは広重の浮世絵にも描かれた、東海道の宿場だ。当時の関所もそのまま保存されている。関所と浜名湖の水路には、今は観光船が行き交う。◆夜の浜名湖では、光に集まる魚をモリで突く、たきや漁が見られ、カニ、サヨリ、タイなどが獲れる。◆江戸中期からの手筒花火は、太い竹に縄を巻きつけて作る。諏訪神社の祭礼に奉納される花火の勢いと踊りはユーモラスだ。◆遠州新居手筒花火（諏訪神社奉納煙火）、新居関跡【特別史跡】、たきや漁

兵庫県小野市の浄土寺は、鎌倉初期に東大寺再建の寄付を募った大勧進、重源によって建立された。国宝の浄土堂の中央に、鎌倉期を代表する仏師、快慶の手になる阿弥陀の三尊が、すっくりと立っている。他に仏具など何も置かれていない。日の沈む頃、西側のしとみ戸を上げると、太陽の光が堂内深くに射し込み、仏像の黄金色と梁や柱の朱色とが映えて、眩いばかりの空間となる。重源は、末法の世に極楽浄土へと衆生に手をさしのべる阿弥陀来迎の図を示し、民衆に仏への帰依を促したのだ。◆浄土寺浄土堂【国宝】、阿弥陀三尊像　快慶作【国宝】（阿弥陀如来、観音菩薩、勢至菩薩）、阿弥陀如来像　快慶作【重文】、菩薩面【重文】（浄土寺蔵）、阿弥陀聖衆来迎図【国宝】（有志八幡講十八箇院蔵）