大和盆地と生駒の谷を隔てる矢田丘陵には、多くの名刹が点在している。中でも知る人ぞ知る隠れ古寺・東明寺には、貴重な仏像が納められている。自ら全国の仏像を見て「見仏記」を著した、いとうせいこうさんが矢田丘陵のかくれ仏を訪れる。

中国放送が保有する開局以来の貴重なライブラリー資料と、視聴者の手元に眠る映像から、２０世紀の広島県を振り返って、さまざまな顔やイメージからとらえた広島を２１世紀に伝える。◆この回は「戦前の広島？」。

宮崎県西都市の山間に昔ながらの生活を守る人々の暮らしを通して、老後のあり方を考える。◆戦後の日本の高度成長の陰で、山村は過疎化・高齢化に悩まされてきた。しかし、宮崎県西都市のこの地区は１２戸２６人の過疎の山里であるが、老人たちが生き生きと暮らしている。この地区最高齢の夫婦のゆっくりとした昔ながらの生活は、どことなく懐かしさを感じさせる。晴れたら畑仕事をし、雨が降ったら作業を止めるという自然任せの生活。二人の生活を見ていると、この場所がまさに天国のように思えるのだ。なぜ二人の暮らしが懐かしいと思うのか、なぜこの場所に魅力を感じるのか。本来の「老後」とは何か、二人の日々是好日的な生き方から、現代人の進むべき道を模索する。

ＣＳ・京都チャンネルで放送された『本上まなみの極私的京都』を再構成したミニ番組。本上が学生時代を過ごした京都を散策する。◆京都市動物園を訪れた本上が、いちばん好きな動物を紹介する。

世界には水資源に恵まれない国もあるが、日本では、どんなことにも豊富な水を使って生活してきた。福井県大野市は、九頭竜川の水と湧き水によって生きる、まさに日本的な街である。「殿様清水（しょうず）」は名水百選にも選ばれた。朝市にはよく洗った野菜が並び、酒づくりでは米をたっぷりの水に浸す。◆イトヨも水の街、大野を象徴する魚だ。体長５センチほどで、澄んだ水がないと絶滅する。近年湧き水の量が減り、イトヨも少なくなったという。イトヨが棲める環境は人にも大切だ。◆殿様清水、本願清水イトヨ生息地【天然記念物】

中世の城塞都市そのままの姿を残すシギショアラを訪ねる。◆ルーマニア北西部のトランシルヴァニア地方は、古来東西交易の重要な道筋にあたり、１３世紀頃からドイツ人の商人や職人が数多く移住した。彼らは職種毎に固いギルドを組織し、城塞で街を囲み、異民族と戦いながら交易を広げ、街を繁栄させた。シギショアラ歴史地区は、唯一残る当時の建築様式の町並みである。◆しかし近年、本国へ帰る人々が多くなり、数世紀にわたった独特のドイツ人文化は、やがて消え去ろうとしている。◆シギショアラ歴史地区

国宝「色絵藤花図茶壺」は江戸時代の初期に活躍した陶工・野々村仁清の代表作の一つである。幻ともいわれる仁清の色絵壺は、日本の焼き物に初めて艶やかな色彩をもたらした。最も高く評価される１２点のうち大半は、旧丸亀藩主だった京極家が所有していた。京都や瀬戸で修行を積んだ仁清は、御室の仁和寺の門前に窯を設け、茶人の金森宗和に引き立てられて、世に知られるようになっていった。中国の陶器の色彩や蒔絵の手法を取り入れ、御室焼きは華麗な「京土産」として珍重された。◆野々村仁清作　色絵藤花図茶壺【国宝】（ＭＯＡ美術館蔵）、色絵芥子図茶壺【重文】（出光美術館蔵）、色絵吉野山図茶壺【重文】（静嘉堂文庫美術館蔵）、色絵山寺図茶壺【重文】（根津美術館蔵）

アンコール・トムは、クメール王朝最盛期の都城であった。◆その遺構は、アンコール・ワットのすぐ北側にあり、長大な城壁と濠を廻らしている。◆中央の寺院、バイヨンは歴代の王の中で初めて仏教に帰依した、ジャヤバルマン７世が建立した仏教寺院である。林立する尖塔のすべての四面に、巨大な観世音菩薩の顔が彫られ、それは、自らが民衆を救う菩薩でありたいと願う王の顔そのものであるという。◆王の没後、国は衰え、王都を放棄し、カンボジアの南部に国土を狭めた。◆アンコール