国際的なピアニストとして活躍しながら、脳溢血で右半身不随の後遺症を背負った舘野泉さん。絶望に沈んだ彼にもたらされた救いの光は「左手のための曲」の存在だった。彼を支えた家族の絆と友人の音楽家たちの励まし、復活に至るまでの心情を追う。またオーストリアの首都・ウィーンを西田ひかるが訪ねて「左手で弾くピアノ曲」を探し、それらが作曲されたエピソードを紹介する。

野生動物の生態や人間との関わりを描いた椋鳩十の動物文学を、詩情あふれる絵にあわせて読み聞かせる番組。◆今回は、少女と子ジカとサルの友情を描く物語の第５回。（最終回）

馬の首を一刀のもとに両断したと伝わる秘剣“馬の骨”の使い手を探すために江戸から呼ばれた男が、伝承されたと見込んだ６人に闘いを挑む。原作：藤沢周平（２００５年８月２６日～９月３０日放送、全６回）◆秘剣の使い手を探すうちに、７年前の家老暗殺の真相を知ることになった石橋銀次郎（内野聖陽）。銀次郎に“馬の骨”の使い手探しを命じた伯父、家老・小出帯刀（近藤正臣）こそが、すべての陰謀を画策していたのだった。

２００５年２月に開港した中部国際空港セントレアの建設に最後まで反対した、ノリ養殖漁師たちの「今」を見つめる。彼らが守ろうとしたものは何だったのか。平成１７年度文化庁芸術祭参加。◆空港の対岸、愛知県美浜町の野間漁業協同組合では「空港島ができると潮の流れなどが変わり、海苔が壊滅的な打撃を受ける」として建設に反対していた。かつて海苔は「黒いダイヤ」といわれた高級食材だったが、大量生産時代に入って安価なものになった。しかし、手塩にかける作り手にとってはその価値は変わらない。５年前に建設に同意するまでの漁協長の苦悩や引退を決めた老夫婦の海苔作りにかける思いを、長期取材で浮き彫りにする。

広島に原爆が投下されて２ヵ月、焦土の風景と苦しむ被爆者が日本人の手によって撮影された。現存する未編集フィルムに写された映像と現在の場所を対比し、広島の歴史とともに風化しつつある被爆の実相を伝える。

２００４年１１月、日本とフィリピンとの二国間協定で基本合意された介護士・看護師の受け入れ。その流れを受けて始まった、在日フィリピン人を対象にしたホームヘルパー養成講座に通う受講生たちを追い、日本の介護事情のいまと今後を考える。

メディアリテラシーで行ってきた児童・生徒による「番組作り」の成果を踏まえ、営業の仕組みについても理解してもらおうと「ＣＭ制作」に取り組んだ番組。長野の高校生男女６人の「ＣＭ作り隊」が挑戦して作品を完成させるまでの４ヶ月を追う。◆地元の中古車センターの協力で、春のキャンペーン用に１５秒のＣＭを制作することになった。だが、実際に始めてみると秒数オーバー、ＣＭ考査と苦戦の連続。完成し、実際にテレビで放送された作品も紹介する。◆対象年齢（主な出演者の年齢）：高校生以上

太平洋戦争の最悪の戦場のひとつ、ガダルカナル島。そこで戦死した父の足跡を追い続け、１５年にわたって現地での遺骨収集を続けてきた上村清一郎さんたちの最後の遺骨収集を追う。◆福岡で結成され、ガダルカナルへ送られた歩兵第１２４連隊の帰還兵や遺族で結成された「福岡ホニアラ会」。毎年のように遺骨収集を行い、多いときには７０人以上の参加があった。帰ってこないとは思いもせずに博多駅で父を見送ったのが最後の思い出という上村さんは、糖尿病の合併症から脳梗塞を起こし、医師に遠出を止められている。今度の旅を最後と、自分で決めた。