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テレビ番組

寝たきりアパート さまよう終の棲家

番組ID
205557
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放送日時
2010年05月30日(日)02:22~03:17
時間(分)
49
ジャンル
cinematic_blurドキュメンタリー
放送局
中京テレビ放送(CTV)
製作者
中京テレビ放送(CTV)
制作社
中京テレビ放送(CTV)
出演者
ナレーター:鹿内美沙
スタッフ
撮影:平田達也、音声:山田考博、編集:亀田浩司、音声:斉藤元、ミキサー:澤田弘基、タイトル:加藤眞由美、ディレクター:加藤高太郎、プロデューサー:上原淳
概要
岐阜県内で数年前から医療や福祉に携わる関係者の間で、その存在を巡り様々な意見が交わされてきた「寝たきりの高齢者専用アパート」。◆「口から食事をとることのできない寝たきりのお年寄り」だけが入居できるこのアパートに対して「多くの疑問点がある」と指摘する後見人NPOの山田隆司さん。山田さんが後見人として関わることになった79歳の女性入居者は「寝たきりのまま」チューブで栄養を補給されていたが、山田さんがアパートから“救出”し、病院でリハビリを受けさせた結果、口から食事が取れるようになり、さらに車椅子に乗って移動もできるまでに回復したのだ。◆また、この女性に掛かった費用を検証すると、明らかに不自然な「医療保険」の“活用”が浮かび上がってきた。寝たきりアパートの運営に多額の“公金”が巧妙に使われている疑惑が見えてきた。◆その一方で、「医療費抑制、医療制度改革」のあおりを受け、病院や老人介護施設などから締め出され、在宅でも家族が面倒を見られない「医療行為を必要とする高齢者」が行き場を失ってしまうケースが増えている。そうした高齢者を抱えた家族にとっては「寝たきりのお年寄り」を引き受けてくれるアパートの存在は“救世主”に思えるという。◆こうした施設は国の高齢者政策が後手に回っている現状に付け込んだ“仇花”のような存在だと専門家は指摘する。また長妻厚生労働大臣は取材に対して「施設に問題点があるとすれば取り締まる。また公金が医療費抑制の陰で無駄に支出されているなら見直さなければならない」と明言した。寝たきりアパートの経営者は「自分たちはあくまでも困っている人達のニーズに応えてビジネスを展開しているだけだ」と語った。◆“高齢社会ニッポン”の歪みに存在する“寝たきりアパート”。現在もそこで180人のお年寄りが暮らしている。
受賞歴
「地方の時代」映像祭(2010優秀賞)

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