第二次大戦末期、北大西洋上のドイツ潜水艦Ｕ・２３４上で自決した２人の旧日本海軍将校の数奇な運命を、遺族や国内およびヨーロッパ関係者の証言をもとに描き、戦争と平和、世代の断絶、人間と科学などの問題を問いかける異色のドキュメンタリー。

熊本大学の環地中海遺跡調査団に同行して、モロッコからエジプトまでの陸路を５か月間にわたり取材。多くの謎を秘める遺跡や散在する絵画や文字など、学術的内容を織り込みながら、アルジェリア、モロッコ、チュニジア、エジプトなどの遺跡をわかりやすく解説する。加えて現地の風土、風俗、習慣、行事など、現在の姿も紹介する。放送番組センターの制作番組第一号。（１９７０年７月５日～１２月２７日放送、全２６回）◆第３回のテーマは、コンスタンチーヌ高原を行く。

「西の日光」とも呼ばれる広島県の瀬戸田（生口島）の耕三寺。この寺を開山、創建した初代住職・耕三寺耕三（コウサンジコウゾウ）師の功績を描く。耕三師は大阪で鋼管製造会社を経営していたが、昭和１０年（１９３５）、亡き母の報恩のために得度し、僧侶の道に入った。その後、３０年以上をかけて故郷の瀬戸田に耕三寺を創建した。番組では、耕三寺耕三師がこの寺に込めた想いや、収集した多くの文化財、美術品のほか、多く観光客が訪れる様子などを紹介する。◆放送番組センター協賛番組。

てなもんやシリーズの第３弾。「三度笠」が股旅もののパロディー、「一本槍」が戦国立志伝のパロディーなら、この「二刀流」はいわば浪人もののパロディー。江戸・慶安年間を背景に剣豪・宮本武蔵の落としだね、宮本無三次（藤田まこと）が主人公となって、天草四郎の弟・五郎、佐々木小次郎の忘れがたみ小志郎といった漫画的人物も登場する天衣無縫のコメディー。（１９７１年２月２８日終了）

警察官を志す娘とその母を中心に、下町の人情と機微を多彩な顔ぶれで描くホームドラマ。「ありがとう」は設定を変えながら４部まで制作された人気ドラマシリーズ。（第１シリーズ／１９７０年４月２日〜１０月２２日放送）◆第一回。東京下町の九（いちぢく）保育園に、母親と同居している四方光（水前寺清子）。母の勝（山岡久乃）は保育園に住み込みで働く栄養士だ。光は婦人警官になりたくて、周囲には洋裁学校・料理学校に行くとウソをつき、警察学校に通っている。だが、同期生の洞外次代（沢田雅美）が保育園を訪ねて来て、そのウソがバレてしまう。

大名の権力のシンボルであった城と、そこで生活した歴史上の人物に、その土地の風土や環境を重ねて描く歴史ドキュメンタリー。（１９７０年７月１０日～１９７１年１月１日放送、全２６回）◆第１回は、熊本と鹿児島を訪ねる。天下の三名城といわれる熊本城と、「城をもって城とせず、人をもって城となす」という思想に基づき、領内に１０２の外城を設けた薩摩を取り上げる。

中部地区民放五局の共同制作で、中部地方で働く青年らが健康で明るく仕事に打ち込む姿を映すドキュメンタリー。放送番組センター協賛番組。◆佐藤昭典さんは高松市の平石井神社の長男として生まれ、國學院大學を卒業後、現在は伊勢神宮の出仕として働く。神職である佐藤さんの一日を通して、伊勢神宮が途絶えることなく繰り返してきた伝統の意義を映し出す。

インドから西域を経て、シルクロードの東の涯に渡米した仏教の道すじを、海外取材の資料フィルムによって描く。また、壮大な仏教寺院・東大寺大仏建立にかけた当時の為政者たちの意図や民衆の貧しさ、苦しさを、伽藍や住居の模型、万葉集などによって描き、日本が統一国家として歩きはじめた時代の姿を伝えた。