聴覚障害児のかるた指導に情熱を傾ける若い教師を追ったドキュメンタリー。◆６年連続「小倉百人一首クイーン戦」に優勝し、永世クイーンになった堀沢久美子さん（２２歳）は、大学を卒業すると山口市の県立ろう学校に就職。教壇に立つ一方、耳の不自由な子どもたちにかるたの指導を始めた。“日本一の先生”に恵まれ、子どもたちの練習にも熱が入る。

　「科学の目」を持って世界を紹介する、科学ドキュメンタリー番組。（１９７５年４月６日～１９８６年１２月２８日）◆ピグミーチンパンジー（ボノボ）の生態報告。彼らの性行動にスポットを当て、それが彼らの社会生活においてどのような役割を果たしているのかを探る。珍しい彼らの生態が見られる。

日本刀の美を求め、その制作と研究に精根を傾ける刀匠・隅谷正峯を鍛錬所に訪ねる。◆鎌倉中期の備前国一文字派の再現に力を注いで３０年。地金作りに始まり、『隅谷丁字刃紋』と呼ばれる独特の刃紋を生み出した。切れ味も美しさのうちと信じる隅谷は、古刀よりも切れるはずだと語る。

かつてない飽食の時代を生きる現代日本人の食卓は、世界中から輸入される食糧で満たされている。しかし、地球上で生産される食糧の生産量には限界がある。そして毎年、日本の耕地面積の４倍以上の農地が消えている。水の枯渇、表土流出によって肥沃な土が消える。アメリカは１トンの穀物を輸出するため、２トンの豊かな土を輸出するといわれる。また、乾燥地帯では塩害が広がりはじめた。これらの恐るべき現象は、いま世界各地で起こっている。食糧問題を土という視点でとらえた、世界の農地からの報告。

１９８２年（昭和５７）夏、人口わずか１２００人という日本でも有数の過疎の村で開かれることになった世界演劇祭の模様を追うドキュメント。◆“ＴＯＧＡ”とは、没落した平家の落人の伝説で知られる大自然の情趣に満ちた山里、富山県五箇山の利賀村である。１９７６年（昭和５１）、日本の前衛劇の旗手といわれる鈴木忠志氏の早稲田小劇場（現ＳＣＯＴ）がここに拠点を移した。

夫に先立たれたあと、姑に仕える一人の女性を主人公に、主婦の幸せ、本当の自由とは何かを問いかけるホーム・ドラマ。水木洋子の書き下ろし。（１９８１年１１月１０日～１９８２年４月２０日放送、全２４回）◆四国の離れ小島の少年施設を見学した権（小野寺昭）は、帰宅後、福山道場を四国の施設と同じようなものにつくり直したいといい出した。協力を求められたミツル（星野知子）は権の考えに賛同、早速、こま子（池内淳子）に警察官を辞める決心を告げた。

５年間にわたって撮り続けた「ＮＨＫ紅白歌合戦」の舞台裏の様子を中心に、過去１０年間の「紅白」の変遷をそれぞれの年のヒット曲とともにつづるドキュメント。◆別スタジオでの音合わせや応援の練習、ホールでのリハーサル。民放局から本番直前にすべり込むベテラン歌手、緊張して出番を迎える初出場歌手など、大みそかのブラウン管には映らない「紅白のもうひとつの表情」を、カメラが追っていく。

中国地方５県に伝承されてきた伝統工芸の担い手たちの技能と生き方を風土との関わり中で描くシリーズ。中国放送、山陰放送、山陽放送、テレビ山口の４社共同制作。放送番組センター協賛番組。◆神楽の盛んな広島県でも特に安芸地方の神楽は、目にもまばゆい金糸銀糸の豪華な神楽衣装を特徴とする。激しい動きに妖しくきらめく輝きが、観客を淘然と酔わせるのである。戦後は競演の神楽大会の影響もあって、衣装が更に派手になったが、こうした神楽衣装を製作する専門店は、広島県内でも僅かに１軒だけとなった。広島市西区三篠北町にある創業２００年の老舗、玉屋衣装店がそれである。主人の横田房雄さん（７４歳）が、代々伝わる何千枚もの下絵の中から、これはという図柄を選び出し、縫い子さん達が刺繍に取り組む。張り詰めた空気が漂う１年がかりの仕事である。番組では、その入念な製作工程と、神楽団に受け取られる際の興奮、そして晴れの舞台で披露されるまでを描く。