テレビ・ラジオで放送された番組・CM4万本以上を視聴できるほか、展示やイベントを通じて放送の今と昔を学べます。 入館無料

tv
テレビ番組

CBCスペシャル 「伝えたい」 ~静かにふくらむ つぼみ~

番組ID
206593
※放送ライブラリーの視聴ブースでは、番組IDを入力することで、簡単に番組を選べます。
放送日時
2011年05月31日(火)10:25~11:20
時間(分)
49
ジャンル
cinematic_blurドキュメンタリー
放送局
CBCテレビ
製作者
CBCテレビ
制作社
CBCテレビ、ヒューマンフライト
出演者
ナレーション:河野多紀
スタッフ
撮影:吉田武重、取材:石井昌也、演出補:大村仁哉、録音:福井通生、撮影:土屋貴義、編集:小川孝樹、編集:縄田浩子、MA:上松健二、音響効果:斉藤元、演出:杉本幸雄、プロデューサー:稲垣邦広
概要
10本以上もの映画を作ってきた映像作家・今村彩子。彼女は生まれつき耳が聞こえないろう者。小さい頃からろう学校でなく、一般の公立学校に通っていた。だがやはり言葉で伝えられないというフラストレーションが募り、一時は自宅にひきこもってしまう時期もあったという。そんな時、父親が借りてきてくれた映画「ET」をみて、言葉ではなく心で通じ合うストーリーに感動。映画を作ってみたいという情熱を持った。◆大学時代に海外留学し、本格的に映像を学び始めた今村さんは、卒業後、ろうの人たちの現状や社会に対しての不満を映画として表現し始める。このときの原動力は「怒り」だった。しかし、その怒りを映像という形で伝えようとする一方で、彼女自身は健常者に対して自分から壁を作り、コミュニケーションをとることに消極的だった。◆そんなある時、今村さんは一人の男性と出会った。サーファーショップを経営する太田さん。ろうである彼は積極的に健常者と交流しあい、話せる話せないに関係なく皆を笑顔に変えていく。自分とはあまりに違う彼に大きな衝撃を受けた今村さんは、太田さんを映画に撮ることにした。◆太田さんのお店では、身振り手振り、筆談、ジェスチャーなど、言葉だけではないコミュニケーションで常に賑わっている。そこにあるのは「相手に伝えたい」という気持ち。社会に対しての怒りを映画を作る原動力にしてきた今村さんの心にも、変化が芽生えていった。そして、映画を撮影していく内に東日本大震災が起こる。被災地のろうの人たちが伝えられない不安な思いを自分が伝えてあげたいと、今村さんは被災地に飛ぶ。そこでも彼女の心に大きな変化が…。◆コミュニケーションの基本である「伝える」ということの大切さを、一人の女性の心の成長を描きながら訴えるドキュメンタリー。

同じ年代の公開番組

どーんと鹿児島 戦地からの手紙 ~軍事郵便が伝えるメッセージ~

太平洋戦争の終戦から66年。人口の4分の3が戦争を知らない世代となり、戦争の記憶を伝えていくことが難しい時代となった。戦争を直接語れる人が少なくなってくるなかで、兵士たちの「手紙」は彼らの息遣いを感じることのできる貴重なものだ。◆戦時中、戦場の兵士と故郷・鹿児島を結ぶ「軍事郵便」があった。検閲があるため戦況に関わることは書けないが、そこには教科書には書いていない兵士一人一人の戦いが記されていた。湧水町に暮らす女性はある日、たんすの中から父が戦地から送った軍事郵便を見つけた。その数、227通。故郷に残した家族を案じる内容や、婚約者への思いなどが綴られた文面。それは戦地と銃後をつなぐ「命の手紙」である。◆戦争の時代の空気がリアルに記され、貴重な事実が潜んでいる軍事郵便は、歴史資料としての価値が見直されている。専修大学の新井勝紘教授は鹿児島大学の西村明准教授らと、軍事郵便の掘り起こしにあたっている。所蔵する軍事郵便はおよそ1万通。新井教授のゼミではケータイ世代の若者が軍事郵便を読んでいる。若い世代にとって、教科書で学ぶ戦争はどこか現実感のないものだ。しかし軍事郵便という生の資料に触れ、等身大の兵士の存在を身近に感じることにより、戦争が現実味を帯びたカタチで見えてくるのだという。◆戦争の真実をどう自分たちの記憶として受け継ぎ、伝えていくか。その問いが私たちに突きつけられている。番組では、兵士が残してくれた軍事郵便が発するメッセージを伝えていく。


cinematic_blurドキュメンタリーtvテレビ番組