１９０５年（明治３８）８月から９月にかけてアメリカのポーツマスで開かれた日露講和会議を軸に、新たな視点で近代日本の外交史を描いていく。（全４回）◆ポーツマスでは日露ともに強気の交渉で会議は難航していた。しかしロシアの新聞操作によりアメリカの世論はロシアに傾く。小村はついに決裂もやむをえないと判断し、本国に訓令を求めるが、返ってきたのは全面譲歩の決定であった。交渉は妥結した。ヨーロッパの明石は活動を止められて孤立、ナターシャはロシアの秘密警察に殺される。日本では講和の結果に不満を抱いた群衆が日比谷焼き打ち事件を起こす。１９１１年、病床についた小村が再び外交の舞台に立つことはなかった。

病死した妻の連れ子を抱え、仕事と子育てに奮闘するカメラマンの姿を描き、泣かせて笑わせるコメディタッチのホームドラマ。グランド劇場。第１シリーズは１９８０年４〜６月放送。（第２シリーズ／１９８１年４月４日〜８月２９日放送、全２１回）◆物語は主人公・池中玄太（西田敏行）がカンボジアの取材から帰ってくるところから始まる。家は火事にあい、３人の娘たちは親戚に預けられていた。母のいない子供たちをふびんがる親戚たちは、自分たちで面倒を見ようとするが、父と一緒がやっぱり一番いいと思った末娘がまず玄太のところに帰ってくる。続いて長女や次女も帰ってきて、玄太は感激で涙が止まらない。

将軍家茂に嫁した皇女和宮は替え玉だった。しかも第一、第二と２人の替え玉がいたという大胆な仮説を展開した歴史小説をドラマ化。時代のうずに巻き込まれた者の悲劇と、権力の冷たさ、残酷さを重量感豊かに描く。

動く文化財・からくり人形が生まれた理由や、遊び心と機械工学を結びつけた日本人の感受性と知恵を探る。取り上げられる祭りは、かさぼこ祭（田原町）・横須賀祭（横須賀町）・名古屋祭・津島秋祭の屋台のカラクリ人形、和時計、茶椀を運ぶ絡繰人形、天満杜秋まつり（緑区）・大田祭り（東海市）。

箱根の山を走る登山電車の姿を描きながら、沿線の人々の生活と自然を紹介する。◆登山電車は、スピード優先の現代にも時速１５キロで走り続け、人々に親しまれている。ここに暮らす人々や箱根町立温泉小学校と子供たち、国産の新型車両「ベルニナ号」の走り、電車の周りに咲く、しだれ桜の美しさなど、春の箱根路を伝える。

澤田美喜が、その半生をかけて残した偉大な足跡を描くドラマ。◆財閥創始者の孫として生まれ、外交官の妻として４人の子供を育てた美喜（京マチ子）。彼女は敗戦直後の混乱の中で、誰ひとり考えもしなかった混血児救済の夢を「エリザベス・サンダース・ホーム」として実らせていく。しかし、世間の目は決して温かいものばかりでなかった。（１９８０年５月１２日、澤田美喜さんはスペイン・マジョルカ島で死去）

心臓外科を題材にして人間模様を描く医療ドラマ。少女の心臓が止まった。主治医は研修医で、なす術を知らない。偶然居合わせた大学講師が応急処置をする。人工呼吸、開胸、そして手で直接心臓をマッサージする。何時間たっても心臓は動く気配がない。極限の疲労の中で講師と研修医、看護婦の作業が続く。誰かが手を離せば少女は死ぬ。いつ離すのか。それは今度キリギリスが鳴く時だと講師は言う。

巌流島の決闘から３年、さらに修業を積んだ剣豪・宮本武蔵が新たなる強敵に挑む姿を描く、１２時間の長編時代劇。◆武蔵は飛騨の山中で出会った伊織を京へ連れ帰り、養子にする。やがて５０歳になった武蔵は士官をすすめられるが、たまたまお家騒動に巻きこまれることになる。この争いに利用されていた姫君をさとして争いを収め、姫は九州へ旅立つ。