報道番組との差し替えが決定した１本のテレビドラマをめぐって、ドラマのディレクターとその部下、脇役の役者と報道プロデューサーの葛藤を描く。◆東洋テレビのディレクター長田（加山雄三）はドラマ「なつかしき海の歌」の演出を最後に総務部への移動が決まっていた。その放送の前日に飛行機事故が発生し、ドラマは報道番組に変更された。一方、その日で退社したアシスタントディレクター下沢（吉田拓郎）はドラマの端役だった少女（浅田美代子）に出会う。初めてついた役を懸命に演じたと言う彼女に同情した下沢は、局から差し替える報道番組のビデオテープを盗み出した。番組は再び差し戻されるが、報道プロデューサー（香山美子）はテープの行方を追求する。

東山魁夷さんが、３年の歳月をかけて描きあげた唐招提寺御影堂の２つの障壁画の制作過程を、唐招提寺の森本孝順長老の話、一般公開の模様を含めて伝える。

１８７０年頃のベルギー・フランダース地方。貧しいが心優しく、画家になることを夢見ている少年ネロと、その心の支えともなる愛犬パトラッシュを中心に描かれる優しくもの哀しい物語。原作：ウィーダ（ルイーズ・ド・ラ・ラメー）。世界名作劇場。（１９７５年１月５日～１２月２８日放送、全５２回）◆ジェハンじいさんは無理がたたり過労で亡くなってしまい、ネロはたった一人きりになった。貧しいネロに世間の風当たりは厳しく、最後の希望をかけて出品した絵もコンクールで落選してしまう。大雪の降るクリスマス・イブ、失意に打ちひしがれたネロとパトラッシュはお腹を空かして街をさまよい歩く。

資源問題を中心に、食糧、人口問題を取り上げ、それが明日の人類に及ぼす影響を考えるドキュメンタリー・シリーズ。（１９７５年１月５日～３月３０日放送、全１３回）◆第９回は、中東の産油大国・サウジアラビア王国の情勢について。石油採掘で大きな利益を得て、近代化の道を突き進むサウジアラビア。移動手段はラクダから自動車になり、街には古い中世の建物と新しい近代建築が共存する。番組では、政府が進める人材育成や農業改革、そして石油関連産業の様子など、サウジアラビアの今を伝える。

昭和半世紀の節目にちなみ、５０年間の記録フィルムと関係者の証言で時代を分析し、昭和を動かしたものは何かを考える。（１９７５年４月６日～１９７５年１２月２８日放送、全３９回）◆この回のテーマは、帝国陸軍が機甲部隊の拡充強化のため育成した少年戦車兵。レポーターは納谷吾朗。

幻想的な冬の金沢を舞台に、忘れ難い過去を持つ男と女の複雑に絡み合った情念を描く。◆高丸物産に勤める秀彦（近藤正臣）は、石川県の金沢に赴任して２か月足らず。東京本社の長田部長（内藤武敏）の依頼で、小料理屋をやっている宮木（岩下志麻）という女性を訪ねる。長田と宮木の間にどのような過去があったのか、秀彦は知らない。その店は深い雪の中にあり、宮木は物憂げな、年齢をどこかに置き忘れてきたような女だった。

１９３３年（昭和８）ＮＨＫ愛宕山放送所の調整員だった加藤倉吉さんは、世界ではじめて時報の自動化装置を開発した。加藤さんは１９７５年（昭和５０）に亡くなったが、長男の一雄さんは亡父の供養にと「時報一代記」といったものを故人の親しかった人たちに贈りたいと考え、資料をまとめ、時報史にかかわる人たちを捜し歩いた。番組では赤塚不二夫が一雄さんとともに、午砲（ドン）と時報（ポン）の歴史を紹介する。

学生生活や社会生活で、自己の道を見出せずにドロップアウトした１５人の若者が、日本海の佐渡ケ島に集まり、厳しい自然と闘いながら自らを鍛えた。その手だては太鼓。鬼太鼓（おんでこ）座の誕生である。結成後５年の星霜を経て、いま大きな成果を世に問おうとしている。それは、アメリカのボストンマラソンに全員が参加し、完走し、そして休む間もなく観衆の前で太鼓を打ち続けることである。