日本の海外進出が進むにつれ、日本と赴任先の生活習慣の違いによる文化摩擦が言われるようになった。そんなとまどいを、フランス、ベルギー、ドイツの３カ国を舞台にドラマ仕立てにしたシリーズ。◆伊藤孝介（児玉清）が妻を同行してベルギーの空港につくと、支店長秘書のミス・デイビスが迎えに来てくれていた。きめこまかい配慮に夫婦は喜ぶが、彼女はそのための費用をすべて会社に請求していた。そのことを秘書に注意され、改めて業務範囲のかたくなな守りかた、公私の使いわけのきびしさを知る。妻の由利子（吉永小百合）は気を滅入らせるが、得意の生け花を教えることに生きがいを見いだす。

昨年（１９７６年）、学校で現金と預金通帳窃盗の疑いをかけられ、教員から詰問された中学３年の少年が「学校がこわい」という遺書を残して自殺した。彼の周辺を取材することにより、関係者や地域住民のエゴ、無責任、閉鎖性などを指摘、教育の根本にまで迫る異色ドキュメンタリー。

フクロウやミミズクの仲間は、わが国には１０数種類が生息している。北海道東部の厳寒の原野に住むシロフクロウ、コミミズク、エゾフクロウ、野ネズミを捕食するオオコノハズク。春の石狩平野の防風林に巣づくりし、ヒナを育てるトラフズク、エゾフクロウなど、昼と夜、活動するさまざまなフクロウの生態を紹介。

３０年間行方が分からず、死んだとされていたジャピンド（ジャパニーズ・インドネシアンの略。インドネシアに残留した日本兵のこと）のひとりが、弟のところへ写真を届けてくれと旅行者に託した。１年後、取材班は彼を尋ねてインドネシアへ渡ったが、彼はすでに死亡し、生前は秋田出身のササキと名乗っていたことを知る。なぜササキと名乗ったのか、なぜ３０年目にして日本を思ったのか。彼に関わった人々を尋ねて探る。

伝統のクジラ漁りの盛んな岬・太地と、文明の波が打ち寄せる国際都市・神戸を舞台にくり広げられる、ヒロインの波乱万丈の半生記。太地のもり打ちの娘・ぎん（新井春美）は、自分の知らぬ間に進められた縁談に反発。やがてドイツ人のパン職人ブルックマイヤーと結婚し、神戸でパン屋を開業する。作：杉山義法。ＮＨＫ連続テレビ小説第２０作。（１９７７年１０月３日〜１９７８年４月１日放送、全１５４回）

山田太一が初めて挑んだ小説を、みずからドラマ化。“衝撃の家庭ドラマ”として話題を呼んだ。多摩川の洪水による家の崩壊をクライマックスに、一見平凡で幸福な家庭のうちに潜むものを描く。（１９７７年６月２４日開始、全１５回）

柳田民俗学の原点となった民話“遠野物語”を素材に、山河の風景、四季の変化と日本人の心の関係を探る。

エネルギー資源、食糧、人口、海洋など、一国では扱いきれない問題が国際的に議論され始めた“地球時代”に、それぞれの問題に日本がどのように対処しているかを探り、その課題について考えるシリーズ。（１９７７年１月１０日～４月４日放送、全１３回）◆第６回は、海洋を舞台にした資源やエネルギー利用開発について。広大な海は資源としてもエネルギーとしても、地球上に残された大きな夢の一つである。番組では、波力発電で点灯する航路標識ブイ、海水の淡水化と副産物利用を目的としたテストプラント、海水からウラン資源を採取する技術研究、太陽熱発電で海水を分解して水素をつくる計画、太陽エネルギーを海を通して利用する海洋温度差発電、深海底に眠る鉱物資源マンガンノジュールの採取、日本沿岸の大陸棚で石油資源を試掘する調査活動を紹介。各専門の研究員たちによる説明を交え、我が国で進められている海の資源やエネルギー利用の数々について伝える。