ごく普通のサラリーマンの妻・汀子が、江戸時代から続く高級料理屋「八百善」の女将を突然任されることになった。不承不承始めた女将修行だったが、やがては店の再興に熱意を燃やす。原作：宮尾登美子。（２００４年３月２９日～５月１７日放送、全７回）◆戦後間もない昭和２８年、深川育ちのちゃきちゃきの江戸っ子・汀子（夏川結衣）が杉山家に嫁いで６年たっていた。江戸っ子らしく喧嘩は絶えないが、サラリーマンの夫・福二郎（吹越満）との間に二人の子をもうけ、ごく普通の家庭を営んでいた。杉山家は「八百膳」という江戸時代から八代続いた料理屋を生業としていたが、空襲で店を焼かれ営業をやめていたのだった。そんな折、福二郎の父・了二（杉浦直樹）が、営業再開にあたって自分は引退する、ついては店は福二郎に任せ、汀子は女将をやれと宣言した。

右後ろ足のないアオウミガメ・ジェーンが今年も産卵に訪れた屋久島。３本の足で苦労して穴を掘り、産卵したジェーンの子ガメたちが海に旅立つまでを、島の状況を織り込みながら描く。◆屋久島は北太平洋最大のウミガメの産卵地だが、９９パーセントがアカウミガメで、アオウミガメはほとんど来ない。ウミガメ保護監視員の大牟田さんは、屋久島は危機に直面していると語る。相次ぐ大型台風でえぐられる砂浜、流出する卵。ふ化した子ガメを襲うカラス。そして人間がもたらした、新たな脅威とは。

７年に一度行われる諏訪大社の御柱祭。木落としの勇壮さは名高く、雄大なスケールで日本の奇祭の一つにも数えられる。２００４年に行われた御柱祭の準備の様子や、氏子たちの熱い思い、御柱が通る街道筋の様々な表情を捉える。

ＪＲ可部線の可部―三段峡の区間が、２００３年１１月３０日に廃線となった。１９６９年の全線開通から３４年間とらえ続けた映像も紹介しつつ、豊かな自然の残る山里を太田川に沿って走る可部線の車窓風景や、地域の人々の生活を織り交ぜて、四季折々の可部線の風景を描く。

国立ハンセン病療養所「大島青松園」がある香川県大島の小学校の児童５人が、島を訪れた人たちを案内する「大島案内ひきうけ会社」として活動している。彼らに密着する。◆ハンセン病患者が強制収用された大島の歴史から、元患者たちとのふれあいを通し、入所している元患者と来訪者との架け橋となろうとする５人の思いを追う。

自衛隊のイラク派遣の先陣を切ることになった、北海道の自衛隊員たち。派遣の是非に国論が割れ、「語るな」と命じられて口を閉ざしてきた派遣隊員が、初めて本音を語った。国が狂騒する中で淡々と準備を進め、戦地に向かう彼らの複雑な胸中、その家族の思い、地域の思いを通してその意義を問う。◆冷戦時代の対ソ連の最前線として、４個師団が駐屯してきた北海道は、生活レベルでの自衛隊とのかかわりが深い。隊員としての公式発言でなく一国民として、彼ら派遣隊員は今回のイラク派遣になにを思うのか。そして家族や送り出す人々は何を考えるのか。「不安はない」と話した隊員が、「家族に本当の危険は話せない…」とつぶやく夜。今までとは違う自衛隊の姿を紡ぐ。（隊員の姓名・身分は伏せられています）

野生動物の生態や人間との関わりを描いた椋鳩十の動物文学を、詩情あふれる絵にあわせて読み聞かせる番組。◆今回は、少年の手で育てられたヒバリの物語の第７回。（全８回）

頑固職人である父に憧れ、父と同じテーラーとして、家業の小さな店「テーラー楠」を継ぐ決心をした女性が成長していくホームドラマ。脚本：戸田山雅司。（２００４年１１月２９日～１２月２７日放送、全５回）◆第１回。花梨（上原美佐）は紳士服のオーダーメイド店「テーラー楠」の一人娘。店はブランド物や安売り店に押されながらも、父・広（長塚京三）が何とか切り盛りをしている。頑固職人の広に憧れ、「テーラー楠」を継ぐ決心をした花梨。しかし、当の父親は大反対。典型的な男社会の仕立屋家業に小娘の出る幕は無いという。でも花梨には、どうしてもテーラーになりたい理由があった。父の跡継ぎになるはずだった弟が事故で死んだのは自分に責任があると感じていたからだった。なんとかテーラーになることを父に認めさせたい花梨は、コンクールへの出品を思いつく。