１９５０年（昭和２５）１０月に起きた強盗殺人死体遺棄事件の３０年にわたる再審闘争とえん罪の立証を軸にした告発ドキュメント。◆３０数年前、物的証拠のないままに「自白こそ最大の証拠」とした当時の警察・検察の不当性を明らかにするため、ぼう大な裁判記録の中の根本的な矛盾点を突き、当時の関係者を取材していく。（１９８６年（昭和６１）に無罪が確定。逮捕から３３年１０ヶ月、無期懲役の確定から２８年９ヶ月、再審請求２度目）

若い教師の死に至る軌跡を通して、地域の中での学校や教師のあり方について描く。◆保守的風土の強い町の小学校に赴任した青年教師が、２年後、突然自殺した。遺書はなかったが、この教師あてに出された匿名の脅迫状の存在が、彼の死後明らかになった。彼の教育に対する情熱が、地域の有力者を中心とした保守的な雰囲気と衝突をくり返したのであった。

　「科学の目」を持って世界を紹介する、科学ドキュメンタリー番組。（１９７５年４月６日～１９８６年１２月２８日）◆アフリカ大陸の中央部、赤道直下の原生林に棲む「ピグミーチンパンジー（ボノボ）」は、類人猿の中で最も人類の祖先に近い存在と考えられている。彼らに関する学術調査の模様を記録した。

売春をしていた主婦がつぎつぎに殺される事件が起こった。真相を追う雑誌記者は義姉にある疑惑を抱き、そして意外な犯人が明らかになる。

旧制女学校の教頭まで務めあげた老人が、昔の教え子の娘を通して、自分のつくった歌がいかにその母娘の心の支えになっていたかを知り、再び生きる喜びを持つまでを描く。

大衆演劇の不思議な魅力とサラ金をめぐる現代の世相を笑いと涙で描いた異色のドラマ。（１９８２年６月４日～８月２７日放送、全１３回）◆しがないサラ金業者・沼田薫（西田敏行）は、サラ金地獄に落ちこんだセールスマンたちから貸金を取り立てようと悪戦苦闘していた。妙なきっかけで四万温泉の竹沢市太郎（梅沢富美男）の一座を訪れた沼田と５人の債務者は、芝居の魅力の虜になり、いつの間にか素人役者となって舞台を踏むことになる。◆「一本刀土俵入り」原作：長谷川伸

中国地方５県に伝承されてきた伝統工芸の担い手たちの技能と生き方を風土との関わり中で描くシリーズ。中国放送、山陰放送、山陽放送、テレビ山口の４社共同制作。放送番組センター協賛番組。◆三次人形は土人形である。かつて広島県内では、三原、上下、庄原などで土人形が作られていたが、今は三次人形だけがその伝統を伝えている。現在に伝わる三次人形は、宮の峡の人形師・丸本儀十郎が、明治初期に十日市町で良質の粘土を見つけたのを契機に十日市で独立・開窯したのが始まりとされる。以来、一子相伝の形で、儀十郎から熊市、藤一、十九瓶と技術が伝えられ、現在は十九瓶の妻・昌子さんと次男で５代目を継ぐ丸本?さん親子が継承している。三次人形は、「光人形」とも称され、独特の磨き出し技法による艶を持ち、土人形とは思えぬ洗練と上品さを湛える。三次地方では子供の初節句の祝いに、親類縁者が男子には「天神」、女子には「町娘」などを贈るのが習わしで、棚段には三次人形と白酒や菱餅が飾られた。今も家々には、幼児の手で汚れた昔の三次人形が、大事に保存されている筈である。

四国一の工業都市、愛媛県新居浜市の１９８２年（昭５７）は、住友アルミ磯浦工場の操業休止宣言で明けた。２００人にのぼる出向者と退職者、企業城下町新居浜を構造不況の波がもろに襲ったのである。果たして再生の道はあるのだろうか。構造不況の実態にメスを入れながら、その道を探る。