瓜生岩子は日本の社会・児童福祉の先駆者として一生をボランティアに捧げた女性。文政１２年（１８２９年）現在の喜多方市に生まれた。◆戊辰戦争の時には、大八車にたくさんの衣類や薬を積み込んで喜多方から戦場へと駆けつけ、敵味方の区別無くけが人の介護や被災者の救済に走り回った。この時の活躍をみて、人々は岩子を「日本のナイチンゲール」と呼んだ。岩子の献身的な活動は会津に留まらず福島や東京まで及び、その功績を評価されて、女性としては初めての藍綬褒章を受けた。◆番組では瓜生岩子の足跡をたどるとともに、その精神が現在にも繋がっていることを検証する。

長年高校の音楽教師をつとめ、引退後は自宅にスタジオを構えてラジオ番組を作ったり、アマチュア楽団の指揮をしたりと「音楽」を通して生きてきた藤森さんのライフスタイルを追う。◆燕尾服を着て指揮棒を振る独特のスタイルから「カマキリ先生」と呼ばれて親しまれた名物教師だった藤森さん。教え子たちが集まるバンドのメンバーは多くが社会人で、練習時間も思うようにはならないが、それでも先生と音楽をしたいという思いで集まってきた人ばかり。久しぶりにコンサートを開くことになり、熱のこもった練習が始まった矢先、藤森さんは脳梗塞で倒れてしまう。

１６年間にわたって「家族新聞」を作り続けている家庭を紹介。長女が１歳になったころ、お母さんが近況報告を兼ねて第１号を発行してから、１～２ヶ月に一度発行される新聞は、いまでは１００人近くの読者を獲得している。３人の子どもの成長記録、家庭で起きたエピソードなどで綴られた新聞には、家族の愛がこもっている。

余命半年の父の勧めで四国八十八箇所巡礼を始めることになった会社員・山下徳久が、道中さまざまな人間と出会い、成長していく姿を描く。（２００６年１１月１１日～１２月２日放送、全４回）◆第２回「修行」。徳久（江口洋介）たちの遍路旅に、恋人の翔子（戸田菜穂）が加わった。過酷な道が続く修行の地・高知で、徳久と元上司・寺島（三浦友和）やその妻・靖子（風吹ジュン）たちは、次第に本音の会話を交わすようになる。坂田（原田芳雄）が開いたバーベキュー会で、ヒロシ（瀬川亮）がつらかった過去を告白し、エリ（ベッキー）たちに励まされる。

日本を始め、世界各地で数多くの昆虫たちの生態を記録し続けてきた昆虫写真家・海野和男さんの撮影に同行し、その豊かな映像世界を紹介する。地球環境映像祭・子どものための環境映像部門大賞受賞。◆長野県小諸市在住の海野さんは、幼いころから虫になりたかったという。私たちが普段見ることのできない不思議で新鮮な生き物たちの世界を、彼のカメラを通して伝える。

ＳＢＣライブラリー保存の映像により、昭和３０年代からの信州の歴史、人々の暮しぶりを伝える。

福井県越前町で作られる越前焼は日本六古窯のひとつに数えられ、８５０年の歴史を誇る。町内には数多くの窯元があり、陶芸村をなしている。そのひとり、風来窯の大屋光夫さんは３０年以上のキャリアの集大成として、屋根の上に飾る人形の制作に取り組んでいる。屋根の長さと人形の寸法から、置ける人形は２１体。１４体が完成し、のこり７体を制作中である。腕を広げ、無邪気に笑う人形たち。のびのびと制作に励む姿を通して、一生の仕事に誇りを持って生きることの素晴しさを伝える。

現代日本の豊かな食文化の礎を築いた帝国ホテルの元総料理長・村上信夫。昭和史と重なる波乱万丈の村上の半生と、村上の元で働く現代の若いコックの奮闘を、数々のフランス料理とともにダイナミックに描く。原作：佐藤陽、脚本：藤本有紀。（２００６年７月８日～２２日放送、全３回）◆第１回。牧村信太郎（高嶋政伸）は、１９３９年（昭和１４）、あこがれの天鴎ホテルのコックになった。しかし最初は毎日鍋洗いばかりさせられ、先輩からは理不尽な暴力を受けていた。信太郎は家に戻っていとこの静代（牧瀬里穂）に愚痴を漏らしていた。信太郎は静代に励まされ、厨房にある銅鍋を全部ぴかぴかにしようと、休憩時間も惜しまず、体を動かし続け、次第に認められていく。そして１９４２年、出征した信太郎が前線で戦っていたある日、重傷を負った兵士が「最後にパイナップルを食べたい」とつぶやき、信太郎はそこにある物でパイナップルの味を再現する。そして信太郎は必ず生きて帰り、再び料理をすることを決意する。