全国で所有者不明の土地が問題になっている。富山県砺波市では、空き家に生い茂る竹に近隣の住民が苦しんでいるが、この空き家の所有者が不明のため、対処もできない。市はこうした危険な空き家の所有者を調べてきたが、相続登記の手続きがされていないことも多く、辿り着くことが難しい。一方、所有者不明の森林でも荒廃が進み、土砂崩れで住民の命を奪う事態も起きていた。所有者不明の土地は全国で４１０万ヘクタールと推計されている。資産価値が低下したため、相続登記や処分が行われず放置されているのだ。政府は、自治体などが公共事業のために土地を購入する手続きを簡略化するほか、１０年間を上限に土地を公園などに利用できる「利用権」の創設を目指しているが、管理できなくなった土地を寄付したい人のための受け皿など、所有者不明の土地について、検討すべき点は数多く残されている。

勤務先の学校で出会った不思議な魅力を持つ１０歳年下の中学生に心惹かれていく女教師の“禁断の恋”を、儚くも美しく描くヒューマンラブストーリー。原作：かわかみじゅんこ、脚本：金子ありさ（２０１８年１０月９日～１２月１８日放送、全１１回）◆第９回。父・康介（岸谷五朗）からの手紙に書かれた「山江島」という言葉を頼りに、晶（水上恒司）は父を探すため家を出て一人フェリーに乗り込んだ。二度と晶とは会わないと決めていた聖（有村架純）だったが、晶の言動を放っておけずフェリーに飛び乗る。一方、息子を失う不安に駆られた愛子（夏川結衣）は、思い余って勝太郎（町田啓太）の会社を訪ねていた。周囲を顧みない、まるで逃避行のような二人の行動に苛立ち、聖に何度も電話をかける勝太郎。そんな彼の様子を、原口（吉田羊）は心配そうに見守っていた。

大阪大学はｉＰＳ細胞を心臓の筋肉の細胞に変化させ、シート状にして重症の心不全患者の心臓にはり付けることで、難病の治療を目指している。その研究の最前線を伝える。８Ｋスーパーハイビジョンカメラを顕微鏡に取り付け、ｉＰＳ細胞が次第に心筋細胞に変化していく様子や、培養の９日目に突然、心筋細胞が拍動を始める瞬間を、超高精細な映像で解き明かす。８Ｋカメラがとらえた心筋細胞は、どのように見えるのか。この番組は顕微鏡のドキュメントでもある。

男性トイレの便器に的があると、思わず狙ってしまう。覗き穴があると、思わず覗いてしまう。バスケットゴールを見つけると、思わずシュートが入れたくなる。そんな思わずやってしまいたくなる人間の心理を応用して人の心を巧みに操る学問が、「仕掛学」である。日本における唯一の「仕掛学の権威」大阪大学・松村教授のユニークな取り組みを楽しく紹介する。

大阪環状線の駅を舞台に、笑いと人情に溢れた大阪人とそこにある地元愛に包まれながら紡がれるひと駅ごとの物語を、全編４Ｋカメラで撮影したオムニバスドラマの第３シリーズ。（２０１８年１月１７日～３月２１日放送、全１０回）◆第３回、桃谷駅「初恋さがし」。東京で映像の学校に通う亮太（田中偉登）は、桃谷駅でドキュメンタリーの撮影をしていた。偶然出会った瞳（森カンナ）に目を奪われた亮太は、思わずカメラを回しながら後を追いかける。瞳は初恋の人「ポラリス君」（辻伊吹）を探すために桃谷駅にやって来た。そして話の成り行きで亮太は瞳の「初恋さがし」の様子を撮影することに。しかし、中学生から大人になった初恋の人を探す手がかりは「左目の下の３つのほくろ」だけ。唯一の手掛かりを頼りに探すが行方はわからなかった。思い出の神社を訪ねた瞳は、結婚して東京に行くことを明かす。婚約者がいながらポラリス君を忘れられない瞳の態度に亮太は憤る。微妙な空気のまま、桃谷駅に戻った２人は、録画した映像のチェックをしていた時、あることに気付く。

時代の流れとともに消えようとしている、ふるさと島根・鳥取の素顔、自然、生活、文化、伝承行事などを、映像遺産として後世に伝えるシリーズ番組。太田胃散文化スペシャル。◆鳥取県若桜町でおよそ１１０年前から酒造りを続けている太田酒造場。杜氏の高齢化のため酒造りを１９９２年に一度中断したが、１０年後に再開し、現在は地元の米の魅力を最大限に出す酒造りを続けている。新酒が出来るまでの工程を追いながら、杜氏や蔵人たちの思いを届ける。また、太田酒造場が力を入れている「なら漬け」「熟れずし」も紹介、米と町と酒に向かい合う人々に密着した。

香川県高松市沖の瀬戸内海に浮かぶ大島に、ハンセン病療養所「大島青松園」がある。かつて強制隔離された元患者およそ６０人だけが住み、平均年齢は８５歳と高齢化している。島の小学校の児童は、６年生の河野茉莉花さんただ一人。茉莉花さんは両親が療養所の職員で、島で生まれ、入所者から本当の孫のように可愛がられて育った。入所者が茉莉花さんを可愛がるのには、かつてハンセン病患者は、病気への誤った認識から差別され、子どもを持つことを許されず、入所者には断種や堕胎が繰り返されていたという背景がある。８２歳の大西笑子さんもその一人。２０歳の頃、同じ入所者と結婚して子どもを授かるが、妊娠７ケ月で堕胎された。男の子だった。やがて、茉莉花さんが小学校を卒業し、島を離れる日が訪れる。島には中学校がなく、島外の中学校に通うためだ。年老いていく入所者。そして、新しい世界へ旅立つ茉莉花さん。それぞれの想いに迫る。◆西日本放送開局６５周年記念報道特別番組

太平洋戦争のさなか、広島市の江波から呉に嫁いだ少女が嫁ぎ先で様々な不安や苦悩と闘いながらもけなげに暮らす、そのかけがえのない日常を丹念に描く。原作：こうの史代、脚本：岡田惠和（２０１８年７月１５日～９月１６日放送、全９回）◆第７回。すず（松本穂香）が目を覚ますと、そこは北條家だった。全身包帯だらけで身体は動かず、まだ夢を見ているようだったが、しばらく経ち、すずは一緒にいた晴美（小西舞優）が亡くなったことを理解する。防空壕を出たところで不発弾の爆発に巻き込まれたのだった。すずは、底知れぬ絶望と悲しみに襲われる。数日後、呉中が空襲に遭い、北條家の周辺も焼夷弾の被害にあう。そんな中、戦局の変化で訓練が中止になった周作（松坂桃李）が家に帰ってくる。周作はすずを労うが、夫の顔を見て緊張がゆるんだすずは倒れてしまう。