「知らない横丁を曲がる楽しさ、それが旅の楽しさ」という永六輔。その彼が構成・主演（旅人）で全国を旅し、人と知り合い、人間味豊かなふれあいをする、“六輔さすらいの旅”シリーズとしてスタート。その後、作家、写真家、タレントなど様々な人がリポーターとなって個性的な旅をくりひろげ、旅の楽しさを伝える長寿番組に。

世界各地を訪ね、衣食住、産業、文化など毎回ひとつのテーマを取り上げ、社会的風土や風俗を織り込みながら“本物”に迫る、海外取材ドキュメンタリー。放送番組センター協賛番組。（１９６９年１０月５日～１９７０年３月２９日放送、全２６回）◆今回はイギリスの動物愛護について紹介する。１８２２年にアイルランドで成立した「家畜の残酷で不適当な使用を禁止する法律」を皮切りに、イギリスでは家畜やペットなどの動物に不必要な苦痛を与えることはすべて「犯罪」とみなされるようになった。王立動物虐待防止協会（ＲＳＰＣＡ、１８２４年設立）の調査官による飼育状況の点検や取り締まりが行われ、動物病院では無料の診察や手術を受けられるなど、ペットは家族の一員として大切にされている。

インドから西域を経て、シルクロードの東の涯に渡米した仏教の道すじを、海外取材の資料フィルムによって描く。また、壮大な仏教寺院・東大寺大仏建立にかけた当時の為政者たちの意図や民衆の貧しさ、苦しさを、伽藍や住居の模型、万葉集などによって描き、日本が統一国家として歩きはじめた時代の姿を伝えた。

宮崎市のアマチュア劇団・劇団トロアの演出として演劇に打ち込むサラリーマン矢野一誠さん。矢野さんの率いる劇団は、数あるアマチュア劇団の中でも、高く評価されてきた。劇団結成５周年を機に、客演として東京の文学座から女優・吉野由志子さんを呼び、記念公演を計画。演出家である矢野さんを中心に、本番に向けて稽古や広報、助成金確保、チケット販売に奔走する。そして遂に文学座から吉野さんが到着し、より一層稽古に熱が入る中、ある日、矢野さんに宮崎市外への異動の辞令が下されてしまう。アマチュア劇団の演出家が公演開幕へ向けて苦悩奮闘する姿を追う。◆放送番組センター協賛番組。

東北の風土や生活の中から生まれた民芸品を紹介するシリーズ。放送番組センター協賛番組。（１９７０年４月～７月放送）◆北上川と衣川、低い山々に囲まれた平泉。今から８５０年前、藤原清衡・基衡・秀衡の３代にわたり、およそ１００年間北方の王者として君臨した豪華絢爛な平泉文化の地でもあり、義経の死とともに消えていった夢の跡でもある。初代清衡は、東北地方で起こった前九年の役・後三年の役にわたる大きな戦いで命を失った兵士ために、この地に極楽浄土・中尊寺を建立した。中尊寺金色堂に代表される漆と金を使った豪華絢爛な平泉文化は、みちのく特産の漆と金の文化といってもよい。カツラ、トチ、ブナなど器の素材の豊富さと相まって、漆工芸の里としても栄えた。秀衡の時代に始まったとされる漆と金を使った器づくりを取材し、秀衡塗りの特色でもある入念な下地固め、漆塗り、有職菱紋の模様付けなどその制作過程を紹介する。※退色が著しく、一部無音のシーンがあります。ご了承ください。

阿波の伝統芸能である「人形浄瑠璃」の語りを現代語に変え、映画的手法も取り入れて分かりやすく構成した「木偶シリーズ」。放送番組センター協賛番組。◆近松はその生涯で、浄瑠璃のいわゆる時代物と称される作品をおよそ７０編書き残しており、この「傾城反魂香」もその一つ、宝暦５年５６歳当時のものである。もともと狩野元信と傾城遠山の恋愛を中心に描いたものだが、個々にとり上げた「吃の又平」は將監閑居の段として知られ、町絵師の又平とその妻の情愛の描写は特に優れ、現在もよく上演される作品のひとつである。絵師・浮世又平は女房お徳とともに土佐の名を受けたいと師・土佐光信に願い出るが許されない。絶望した又平は自害を決意し、石塔に見立てた手水鉢の石に自分の姿を描くとそれが裏面に抜け出る。その気迫と技量に感じた光信は又平に土佐光起の名を与える。吃音で愚直な又平、能弁で情のある妻を配し、貧しい絵師夫婦の哀歓を盛り上げて人気があり、今日ではこの場だけが独立して上演される。

昭和４１年東京で実際に起きた警官殺し事件を素材に、発見された唯一の物的証拠のナタをもとに、岩手、新潟まで捜査を続ける捜査員の活動をドキュメンタリー風に描いたドラマ。

江戸時代、日本にオランダ医学をひろめたシーボルトと長崎の遊女との間に生まれた楠本いね（丘みつ子）の半生記。いねが自らの出生の秘密を知ってから、数々の苦難を乗り越え、ついに日本最初の女医（産婦人科）として成功し、再来日した父と対面するまでを描く。（１９７０年３月３０日〜９月２６日放送）