那覇市内の一角にある壷屋は、３００年の伝統を今に伝える琉球陶業の窯場である。この町で焼き物一筋に師匠もなく、ひたすら自分の力で道をきりひらいてきた金城次郎さんの製作過程を追いその心を探る。素朴で躍動感あふれる、魚や海老模様を配した壷や皿の製作を続ける金城さんの焼き物には、沖縄の長い苦難の歴史を耐えぬいてきた庶民の力強さ、神々を恐れ神の声を聞こうとする庶民のくらしと心が息づいている。

中部地区民放五局の共同制作で、中部地方で働く青年らが健康で明るく仕事に打ち込む姿を映すドキュメンタリー。放送番組センター協賛番組。◆これからの発電は原子力発電が本命であるが、その燃料に使う濃縮ウランは、全部輸入に頼っている。国策上からも自給自足が望ましい。動力炉核燃料開発事業団の中部探鉱事務所では、原子力発電の燃料となるウランを求めて岐阜県の東濃地方を中心に各地の山間をさがし回っている。所員は山奥深く入り込み、ひたすらウラン鉱を求めて歩き回る、現代の山師だ。その仕事ぶりを追う。

１０年前、流氷の海で死んだ姉。姉が律子に殺されたのではないかと疑惑を持っている幸子は、霧に閉ざされた千歳空港で偶然出会った律子を問い詰める。律子が語った真相とは…。原作：渡辺淳一。

熊本大学の環地中海遺跡調査団に同行して、モロッコからエジプトまでの陸路を５か月間にわたり取材。多くの謎を秘める遺跡や散在する絵画や文字など、学術的内容を織り込みながら、アルジェリア、モロッコ、チュニジア、エジプトなどの遺跡をわかりやすく解説する。加えて現地の風土、風俗、習慣、行事など、現在の姿も紹介する。放送番組センターの制作番組第一号。（１９７０年７月５日～１２月２７日放送、全２６回）◆第３回のテーマは、コンスタンチーヌ高原を行く。

大名の権力のシンボルであった城と、そこで生活した歴史上の人物に、その土地の風土や環境を重ねて描く歴史ドキュメンタリー。（１９７０年７月１０日～１９７１年１月１日放送、全２６回）◆第２５回は、沖縄を訪ねる。沖縄に城（ぐすく）と呼ばれる遺跡は本島だけで百を超すといわれている。すべての城が城郭を意味するのではなく、信仰の場の遺跡も城と呼ばれる。沖縄は、太平洋戦争でアメリカ軍の砲火を浴び、首里城など多くの城や城址が破壊された。番組では、昭和１０年ごろに撮影された守礼門なども紹介する。【番組内に登場する地名、人名、役職名、引用資料等は制作当時のものです。現在とは異なっている場合があります】

江戸時代、日本にオランダ医学をひろめたシーボルトと長崎の遊女との間に生まれた楠本いね（丘みつ子）の半生記。いねが自らの出生の秘密を知ってから、数々の苦難を乗り越え、ついに日本最初の女医（産婦人科）として成功し、再来日した父と対面するまでを描く。（１９７０年３月３０日〜９月２６日放送）

東北の風土や生活の中から生まれた民芸品を紹介するシリーズ。放送番組センター協賛番組。（１９７０年４月～７月放送）◆伊達政宗ゆかりの地、宮城県岩出山町に伝わる竹細工。冬を前に年に一度催される互市では現在（撮影当時）でも花形商品だ。３００年ほど前の享保年間、４代目岩出山城主の伊達村泰が京都から技術を取り入れ、内職として奨励し、郷土の産業の振興を図ったことが始まりとされる。今では町経営の竹細工指導所が、その技術を保存し、研究改良を推し進めている。指導所の所長で先生の飯田さんは、日本各地の物産展ではたくさんの竹細工を持ち込みセールスマンに早変わりする。農閑期の１１月から冬の間、しの竹を切り、竹の皮を剥き、編み上げる。岩出山の竹細工はよその地方の竹細工に比べ、丈夫で弾力に富み、素朴な美しさに満ちている。現在（撮影当時）、竹細工を生業とする人は約５００人、竹細工のみで生計を立てている人は半数。残りの半数は農業と兼業だ。民芸ブームに便乗することもなく、昔からの手仕事を愛する人たちが今も竹を編んでいる。※画像は退色しています。ご了承ください。

国際色濃い神戸の港を舞台に、母親のない少年ケンとさまざまな人々との会話や行動を通して、子供が求める人間の温かさ、さらには母親のイメージを浮かび上がらせる。