１９８７年６月１日の放送開始以来、６０００回を超えて続く長寿ミニ番組。列車での旅を通して、美しい風景とそこに住む人々の生活を描く。◆今回は「カンガルー」と題して、オーストラリア・大陸横断鉄道（シドニー・アデレード・ナラボー平原）を紹介する。

１９８１年登録。◆オーストラリアの北東部に広がる珊瑚礁で、面積は日本の本州ほど。１９８８年に世界自然遺産に登録されたクイーンズランド湿潤熱帯地域と隣接し、バリアリーフが森に打ち寄せる風や荒波をやわらげ、マングローブ林が魚類に住みかとなるなど、二つの世界遺産が共生関係にある。◆しかし、このところ珊瑚の天敵オニヒトデの異常発生などダメージも大きく、原因が研究されている。珍しい魚のポテト・コッド、世界最大の貝、オオシャコガイが見られる。

全国に今も残る大黒柱のある家を取材し、その家族が守り続けている家訓や生活の知恵、大黒柱に対する深い思い入れなどを紹介。◆新潟県佐渡の西南にある羽茂町（はもちまち）、山が連なる小佐渡の標高３００メートル辺りのところにある絞張（しめばり）地区、民家はわずか３軒。山深い絞張の目印となっているのが「ハリキリ」というしめ縄、縄には草履と馬を形どった藁細工がついている。魔除けの意味があり、それぞれの家の入口に必ず付けられている。一きわ大きな「ハリキリ」の奥、一家が集まる囲炉裏の間に立つ大黒柱は、桜の木でできている。

美女の生き血を吸う不老不死の怪物ドラキュラ。そのモデルが１５世紀のルーマニア一地方の君主であったことは今や定説となっている。ルーマニア・トランシルバニアの古都を舞台に、ドラキュラを巡る謎に迫るロマンとミステリーに満ちたドキュメンタリー。◆ブラム・ストーカーのペン先から生まれたドラキュラのモデルはヴラド・ツェペシュという専制君主。残虐非道の人物と伝えられるが当時国境を脅かし続けていたトルコ帝国から国を守り通した名君であるともいう。架空と現実が結び付いていく中でひそかに関心を集めているのが埋蔵されたという財宝。謎を求めてゆかりの地をめぐる。

二人の旅人が平成の眼であらためて古寺を巡礼するシリーズ。◆奈良・西ノ京の律宗総本山唐招提寺。境内に並ぶ伽藍それぞれが絶妙に調和した空間を生み出していることから「絶塵の名刹」と呼ばれてきた。この名刹を訪ねる旅人は、人形師・ホリヒロシと女優・緒川たまき。和辻哲郎の「古寺巡礼」を随所に紐解きながら、金堂、御影堂と、今なお残る奈良時代寺院建築の面影を追う。そして最後に、１２年かけて中国から渡来した唐招提寺の開祖・鑑真の廟の前で、ホリさんが人形舞を捧げる。

日本各地を訪れ、受け継がれる伝統工芸の技と心を紹介する。◆大牟田市は、かつては三池炭坑で栄えた炭坑の町。刀匠・小宮國治さんの家系は、旧柳川藩の御番鍛治。「四郎国光」の銘を先祖から受け継いでいる。現在はその日本刀造りの技を生かし、包丁や農機具も造っている。鋼を刀の技で鍛えた手打ち包丁には、技の歴史が潜んでいる。

広島県因島箱崎の漁師達は、氏神さまとともに、身の回りにも小さな神々をたくさん祭っている。漁師達の伝統的な漁法と風習を一年にわたって見る。厳しい自然の中で営む漁業は神々への恐れと、自然に対する謙虚な気持が欠かせない。因島は昭和３０年代まで、一家が船に住んで夫婦で漁をする「家船」の港であった。路地に祭られた神々の中には、家船で飼った猫を祀る猫神もあり、人々の信仰の厚さを物語っている。

１９９６年８月４日、新潟県巻町で原子力発電所計画の賛否を問う全国初の住民投票が行われ、住民の６割以上が計画に反対の票を投じた。議会の議決こそ民意とする原発推進派と、直接投票こそ民意とする住民たちの２年間にわたる民主主義のあり方をめぐっての攻防を描く。