新潟県中部の山古志村を中心とした地方は、山々の間に二十以上の集落が散在しているところから、二十村郷と呼ばれている。雪国特有の風習を記録する。１１月から２月まで冬の四ヵ月の記録は、雪囲いから始まる。豪雪地帯のここでは、雪おろしではなく「雪掘り」となり、雪に埋もれた墓の上に雪墓を作り、十二山の神の十二講は雪の上にほこらを作ってお参りをする。雪の中で暮らす人々は知恵で冬を逞しく生きるのである。

日本各地を訪れ、受け継がれる伝統工芸の技と心を紹介する。◆日本建築の粋が雪深い里に生きている。世界遺産にも指定された合掌造りの家屋群。この年の春、白川郷の合掌造りの大屋根が半世紀ぶりに葺き替えられた。２５０人の村人が６０００束のカヤを使って作業する。カヤで葺く重厚な屋根造りの技は代々伝えられてきたものだ。村の誇りとその保存の努力を描く。

さまざまな分野で活躍する第一級の人々が、その人ならではの視点で「いのち」をテーマに語る。◆今回は、作家の星川淳さん。

人間の暮らす環境から、自然は確実に減りつつある。その中で姿を消しつつある生き物たちの住処を取り戻そうという試みが始まっている。「ビオトープ」と呼ばれる空間を作ろうとする活動を紹介する。◆「ビオトープ」とはドイツ語で「その地域の普通の動物か生育している小空間、または自然環境」という意味。長野県の信州ビオトープ研究会の蝶を守り、育てていく試みを密着紹介し、県内外のいくつかの自然保護の試みを取材する。

１９７９年登録。◆フロリダ半島の南端には、起伏のない平坦な地形に３万を越す湖が散在する。中でも最大のオキチョビー湖を水源に、深さ１０ｃｍ、幅１５０ｋｍの浅い川が流れる。ここがエバーグレーズ国立公園で、６０００平方ｋｍもあるが、それでも大湿地帯の一部にすぎない。淡水と海水、温帯と亜熱帯が混ざり合い、複雑で貴重な生態系を創り出している。◆かつては先住民の住む土地であったが、５０００年ほど前に現在の様相になった。最近は水の変化が指摘され、あと５００年は続かないという。

１９８７年６月１日の放送開始以来、６０００回を超えて続く長寿ミニ番組。列車での旅を通して、美しい風景とそこに住む人々の生活を描く。◆今回は「夕日」と題して、インドのロイヤル・オリエント（デリー・ウダイプル）を紹介する。

典型的な山村といえる群馬県六合村では、今では見られなくなった伝統的な結婚式を３０年ぶりに再現した。衆知を集めてのイベントは村人の心をつなぐ宴となる。村人総出の「嫁取り再現」は、その記録も兼ねて１０月１日に行われた。子供たちも巻き込んでの人前結婚式は、暖かな人間性に満ち、皆で仕上げたという満足感で、お祭りのようである。

日本三霊山の一つとしてあがめられる立山信仰のよりどころ、主峰・雄山山頂に建つ峰本社の「お建て替え」の作業行程を追う。◆１３６年前に当時の加賀藩が建立して以来の建て替え。再建工事に当たって棟梁を務めた宮大工・酒井さんに密着し、旧社殿の解体から３００日に及ぶ工程を紹介。また棟札と呼ばれる建造の記録をもとに、神廟再建にかけた人々の思いを探る。