紀元前１世紀、ヴェスヴィオ火山の噴火により一夜にして消滅したポンペイ。灰の中に眠っていたローマ帝国の豊かさを伝えるポンペイ、エルコラーノおよびトッレ・アヌンツィアータの遺跡は、１９９７年世界遺産に登録された。長い時間をかけて発掘調査が進み、かつての町の様子が徐々に明らかにされてきている。建物に描かれた壁画からは、当時ローマに次ぐ豊かな町であったポンペイの人々の生活が浮かび上がってくる。近年の高度な発掘技術によって再現された町の様子から、ポンペイの全貌に迫る。

京都府丹後半島の伊根町。棚田の千枚田もあるが、日本海の漁で暮らす町である。舟屋はその拠点となる。母屋とは道一つへだてて、波打ちぎわに建ち、二階は住居、一階は船の収蔵庫、修理場で、野菜類もここに置かれる。◆早朝、漁船が沖合いに出て、荒波をものともせず、定置網をあげる。獲物は寒ブリ。女房たちは氏神様に参り、無事を祈る。◆舟屋保存研究会の会長、倉さんは、高台にのぼり、２３０戸が入り江を囲むのを見おろす。海がなければ、山も畑もない、という。◆伊根町伊根浦【重要伝統的建造物群保存地区】、舟屋

近年、アジアからの輸入野菜が急増している。特に生鮮野菜での伸びが著しい韓国を中心に、タイ、マレーシアなどを取材、これまで国際競争と無縁だった日本の野菜市場を巡るアジアの動向を伝える。◆韓国は、アジアの経済危機をきっかけに、野菜で外貨を獲得する取り組みを本格化させた。輸出専門の生産拠点を各地に整備、さらに日本人の好みを分析するなど徹底的な輸出戦略を推進して、ミニトマト、茄子、胡瓜などさまざまな野菜を日本向けに作っている。タイでは、安い人件費と年間を通して温暖な気候を武器に、枝豆やオクラなどで輸出拡大を図っている。

毎週幅広いテーマを取り上げ、司会者・所ジョージの驚きを通じて科学をわかりやすく解説する番組。◆今回は奈良時代の方法で大仏づくりに挑戦する。大仏さまは小さな模型を拡大して作られたらしい。立体を作るには断面を重ね、立体を拡大するには一つ一つの断面を拡大すればいいことがわかった。こうしてダンボール製の大仏さまの頭部模型が完成する。次は銅像づくり。純粋な銅よりも、スズを混ぜた青銅のほうが溶けやすく強度も増す。鋳型に４段に分けて青銅を流し込み、最後に金のメッキを施して、高さ３７ｃｍ、４０分の１サイズの大仏さまが完成した。

群馬県の自然を、雲や風、光の視点からとらえ、美しい映像で紹介する。

カンガルーケアとは、出産直後の母親のお腹に赤ちゃんを乗せ、母子に出会いの時を満喫してもらおうという出産育児方法。カンガルーケアを取り入れた岡山市内のある助産院と、ここで出産した女性たちの体験談を紹介する。また、大病院ではカンガルーケアの効果を科学的に解明しようと調査が行われている。カンガルーケアの現場では、生まれたての赤ちゃんがおっぱいを求めて母親のお腹の上を這い上がろうとすることがある。その姿に驚き、喜ぶ母親の表情には、よその子との比較も育児マニュアルも何もない、我が子の存在そのものを喜ぶ親の姿があった。

兵庫県出身の土佐正道・信道兄弟が“起業”した「明和電機」は、彼らの父親が経営していた会社名から名付けられたアート＆パフォーマンス・ユニット。パリで開いた個展は大盛況で、ロンドンでも個展を開催予定だという。これまでの“発明品”の数々を見ながら、製品を生み出すまでの秘話を聞く。ＭＣは田辺誠一、はな。

季節ごとに行われる中国の祭りを長崎の地で守る華僑の思いを描く。◆長崎と中国の関係は４００年前江戸時代に始まった。鎖国の間も長崎はオランダと中国に開かれた唯一の町で、唐人屋敷には多い時で数千人の中国人が住んだと言われる。開国後も多くの中国人がやって来て、長崎の華僑が形成された。彼らは長崎に溶け込む努力をすると同時に、中国の風習を頑なに守ってきた。旧正月を祝う「春節祭」、小正月に何千本ものロウソクを立てて祈る「元宵祭」、桜の頃に墓地に集って祖先に感謝する「清明」、そして華僑最大の祭り「中国盆」。長崎の人々もまた、中国との深いつながりの中でその風習を受け入れてきた。