平和な夢が丘の町に現れたイヌ型ロボットのロボタックは祖国・ハラッパ国を救うため、秘宝であるランドツールを探していた。ロボタックは、シャードック探偵社社長の杉薫や、その甥・雪柳カケルら「夢が丘少年探偵団」と協力し、シャードックのライバル・ゴールドプラチナ社夢が丘支店のダークロー一味を相手に、ランドツール争奪戦を繰り広げる。メタルヒーローシリーズ第１７作。（１９９８年３月８日～１９９９年１月２４日放送、全４５回）◆第１回。小さなビルの２階にあるシャードック探偵社にイヌ型ロボットのロボタックが倒れ込んできた。空腹のロボタックは杉社長（大高洋夫）の二日ぶりの食事を食べてしまい、お金を払う代わりにシャードック探偵社で働くことになる。ロボタックは杉社長の甥の雪柳カケル（村上悦也）に祖国のためにランドツールを探していることを話す。そこへ、唐松刑事（赤星昇一郎）が「警察手帳を探してくれ」とシャードック探偵社を訪ねてくる。

文楽の三大名作のひとつ「菅原伝授手習鑑寺子屋の段」、前半「首実験」のくだりまでを、吉田玉男の解説をまじえて鑑賞する。文楽の面白さの一つは、物語や人物が意外な展開を見せる「趣向」にある。この作品はまさにその典型といえる。文楽はまた、人形の制約を逆手にとって人形でしか表現できない美しい動きや形を創造して見せてくれる。寺子屋の段は、武家奉公した夫婦の悲劇を浮き彫りにした、せまじきものは宮仕えの典型である。◆『菅原伝授手習鑑』寺子屋の段／吉田玉男（人間国宝）、吉田文吾、吉田文昇、吉田玉也、浄瑠璃：豊竹十九大夫、三味線：豊澤富助。◆副音声は英語

ドイツの北、バルト海に近いリューベック。ここは中世、沿岸の２００もの都市の連合、ハンザ同盟の盟主だった。階段状の破風など古い家並みが残るが、先の大戦で英軍の空襲を受け、ほぼ完璧に破壊された。昔の姿に戻ったのは、市民の熱意による。ノーベル文学賞を受けたトーマス・マンはリューベックの出身。また、「七つの塔の街」といわれる中で最大の聖マリーエン教会には、一万本のパイプをもつオルガンがあり、ここでバッハが「トッカータとフーガ」を作曲した。◆ハンザ同盟の都市リューベック

奈良ゆかりの芸術家や職人をジェフ・バーグランドが訪ねインタビューするドキュメンタリー。◆１９９８年の長野オリンピック公式ポスターを作成したのは、奈良市出身の洋画家・絹谷幸二（きぬたにこうじ）さん。「人が想像しないものを描くことが創造」「常に創造という名の冒険を続ける」をモットーに、心を揺り動かすエネルギーを描く。高松塚古墳の壁画の調査や、イタリアでのフレスコ画研究などの活動も高く評価されている。東京都内にあるアトリエを訪ねたジェフは改めて芸術とは何かを考え、「スポーツも芸術も人間が動物に近づくためにしていること」「芸術は絵を描くだけではなく人間として成長していく感じ」と語る。また絹谷さんはピカソの絵を例に挙げ、戦争反対のメッセージを伝える。

会社人間として生きてきた５０男に流星のように訪れた危うい恋が、彼の生き方を変えていく。人生の黄昏にある男女の新しい幸福論を丹念に、ほろ苦く描く。（２月２１日終了、全２回）◆大手銀行支店長の盛本芳春は、娘・美紀の結婚を間近に控えて出向を打診された。娘の結婚相手は大蔵省のエリートである西澤。世間体を気にする妻や義母には言い出せない。虚しさを感じた芳春はスイスのマッターホルンに旅立ち、誠子と出会う。

テレビ番組の中の家族像は、その時代の家族の姿を映す鏡である。「テレビは日本の家族をどう描き、伝えてきたか」をテーマに開催されたシンポジウムを紹介し、家族の在り方を考える。出演はフジテレビの杉田成道、作家の久田恵、ＮＨＫの井上隆史。司会は演出家の大山勝美。（『放送ライブラリーフォーラム’９８』１９９８年１０月１７日、神奈川県横浜市・はまぎんホールで収録）

チチェン・イツァーは、ユカタン半島の北部にあるマヤ文明の都市で、建設は９世紀半ばから。初期のものは伝統的なマヤの様式だが、次第にトルテカ文明の影響がはいる。階段の数が１年３６５日と合うククルカンの神殿や天体観測のドームなど、進んだ文明に驚嘆させられるが、生け贄を神にささげる風習も盛んで、首をさらした台座の建造物だろうか、ツォンパントリを囲む頭蓋骨のレリーフの群は圧巻である。現在の末裔たちの暮らしぶりも紹介している。

１９９８年４月、静岡県で初めて、全国でもほとんど唯一、全盲の普通中学社会科教師が誕生した。周囲に支えられながら、生徒とともに手さぐりの授業を始めた全盲の先生を追いかける。◆静岡県舞阪町出身、パラリンピック金メダリスト河合は中３の時に失明した。教師になることを夢見ていた彼は、早稲田大学教育学部に進学し教員免許を取得。９８年春、母校舞阪中学校で教師としてのスタートを切った。