若き禅僧と女性教師の運命的な恋を描いた昼帯ドラマ「ピュア・ラブ」第１作（２００２年１月２８日～３月２９日放送）の総集編。作・構成：宮内婦貴子。◆小学校教師の麻生木里子（小田茜）はある日、通勤途中に自転車で転んだところを、修行僧の遠宮陽春（猪野学）に助けられた。それは赤い糸で結ばれた運命の出会いだった。その後も偶然が重なり、木里子は陽春に惹かれていくが、彼女には白血病の陰が忍び寄っていた。木里子の病気を知り、病院を見舞ううちに陽春も木里子を愛するようになるが、結婚を許されない修行僧の身である。木里子に骨髄移植が必要になったとき、陽春は木里子への愛を全うするため、ある決意をする。

インドの東隣りに位置するバングラデシュにあるパハールプルの仏教寺院遺跡は、インド仏教が最後に輝きを見せた時代の象徴的存在として、１９８５年に世界遺産に登録された。◆バングラデシュは、植民地時代まではインドの文化圏に属していた地域であり、仏教が主流であった。しかし、仏教が複雑化していったことで、少しずつヒンドゥー教に居場所を奪われていった。衰退の一途を辿って行ったインド仏教は、８世紀、パハールプルで最後の華を咲かせる。パハールプルの仏教寺院は莫大な量の焼成レンガによって建造されている。正方形の囲壁の中心に大祠堂を置く一種の五堂形式がとられ、全体が立体的な曼陀羅を構成するものである。その建築の様式と思想は、当時ここに参集した修行僧によって東南アジアにも伝えられ、アンコール・ワットやボロブドゥールといったアジアの宗教史を代表する大伽藍の建造に影響を与えたと考えられている。これまで紹介される機会の少なかった大寺院の姿を、日本のドキュメンタリーとしては初のヘリコプター撮影によって紹介する。◆ボロブドゥール遺跡、アンコール・ワット遺跡、パハールプルの仏教寺院遺跡（ソーマプラ大僧院）

作家の書下ろしによる一話完結の物語を、俳優の朗読とイメージ映像で綴る。ひとつの出会いが翌週に新たな出会いを生むスタイルで、一ヶ月にわたって展開していく。◆この回はいしいしんじ作・柳家小三治朗読の第１回「おじいさんの背が伸びた」。

日本有数の山岳観光道路、磐梯吾妻スカイライン建設のためにルート調査を行った男たちの苦闘を描く。◆福島県は全国初の山岳有料観光道路の開通を決め、１９５２年（昭和２７）、県都市計画課の鈴木三男を中心に、ルート調査に着手した。日が当たる南側斜面を走り、しかもトンネルがないことが条件となった。最も難航したのは、つばくろ谷にかける橋の地点の測量だった。山に入ると音信不通で、たまに洗濯物を詰めてヒゲ面で下山すると、娘が怖がったと言う。スカイラインは１９５９年に開通し、福島県観光のドル箱と呼ばれるまでになる。

深夜の生放送バラエティ「虎の門」の人気企画。提示されたお題に関する「うんちく」を順番に語り、「うんちくがなかった」と判定された者が脱落していく。知識、雑学のみならず、聞き手をうならせる説得力ある話術も必要とされる、緊張感あふれるトークバトル。◆この回は、初代「芸能界一のうんちく王」伊集院光と挑戦者・山田五郎、吉田照美、上田晋也の４人が対決する。司会：いとうせいこう、解説：勝俣州和。

北海道の豊かな自然、生きてきた人々の歴史や文化、生活、産業など、次の世代へ引き継ぎたい有形・無形の財産の中から、道民全体の宝物として選ばれた「北海道遺産」を、ハイビジョンで撮影された美しい映像と共に紹介する。◆山車（やま）を囲むように張られる水引き幕には、京都・祇園祭の香りが漂う。最も古いものは江戸時代・天明元年に江差の豪商が京都の呉服織物問屋にあつらえたものと伝わる。まさにニシン文化が生んだ絢爛豪華な絵巻物である。

アジアの各民族が心のよりどころにしてきた「古都」とその深層部を取材し、過去と現在をむすぶ物語を探るシリーズ。◆第一集は皇帝の都として栄えた中国・北京。表通りから一歩入ると「胡同（フートン）」と呼ばれる路地裏が入り組み、紫禁城を幾重にも取り囲む。歴代皇帝も愛好したコオロギ相撲「闘蟋」、西太后も好物だったという「豆汁」の行商など、王朝時代からの伝統や文化が今も息づいている。しかし、２００８年のオリンピックに向けて北京では大規模な開発が進められ、胡同も一部の保存地区を除いて取り壊されることになった。開発に揺れながらも古都の営みを愛し、誇る人々がたくましく生きる姿を描く。

伝統と文化に培われた城下町・金沢。「空から謡が降る」といわれ、日本の原点ともいうべき風景に彩られた街なみも、時代の中で変容している。金沢美術工芸大学の百々俊雅・小田根五郎の両教授が描く作品と、カメラ映像とで、今と昔が交錯する金沢の風景を次の世代に伝える。◆この回は「百万石行列」。