清朝王族の家柄に生まれ、日本と中国の狭間で翻弄されてきた川島廉子と娘・尚子の波乱の人生を描くドキュメンタリー。◆廉子さんは清朝王族の王女として生まれ、幼くして日本人有力者・川島浪速の養女となったが、戦後中国では支配階級の出身者・戦争に荷担した日本人として理不尽な差別と迫害を受けた。母と子供達は肩寄せ合って生きていくが、成長した尚子さんは母とは違う生き方を求めて文化大革命に身を投じていく。あれから３０年、尚子さんは松本に帰国した母に呼び寄せられて日本人となり、母の生涯を綴った本を出版した。さらに、母と自分の人生を振り返るために中国に旅立つ。

「親切」や「優しさ」などをテーマにしたショートストーリー。日常のささいな出来事のなかに隠された、心打たれる瞬間をつづる。◆この回は「指の傷」。

およそ３０頭のツキノワグマが生息する丹沢。しかし、開発や自然環境の悪化によりクマの頭数も減少し、このままでは絶滅も危惧される状況になりつつある。丹沢のツキノワグマを守るためのさまざまな取り組みを紹介する。◆生態系の頂点に近い部分にあたるクマが生きるためには、食物連鎖の下に多くの動物、植物を必要とする。すなわち、クマが暮らせる森は豊かな森であると言えるのである。

日本とロシアのあいだに横たわる深く長い溝・北方領土問題。この溝はなぜ出来てしまったのか、その秘密を解くカギを追って、菊池麻衣子が日本・ロシア両国のゆかりの地を訪ね、登場してくる人物のドラマを探る。◆ひとつめのカギは、なんと九州は長崎にあった。鎖国日本にあって、ただ一つ開かれていた窓・長崎。およそ２００年前の１８０４年、ロシア人実業家・レザーノフがその窓を開こうとやってきた。江戸と長崎を往復する幕府側との、なかなか進まない交渉の間、長崎に滞在した彼らの使節団はいくつかのエピソードを残している。

包丁から人工心臓まで手がける車椅子の工業デザイナー・川崎和男のデザイン哲学に迫るドキュメンタリー。◆川崎は大手電機メーカーで製品・商品開発に携わっていたが、２８歳の時に交通事故に遭い、車椅子生活を余儀なくされるようになった。その後、自ら川崎デザイン室を主宰し、企業戦略としてのデザインや、伝統工芸と先端技術を調和させた新分野を開拓してきた。体が不自由な分、想像力がはたらくのだと言う。日本の現状に飽き足らない川崎は、「デザイナーは会社の利益のためにでなく、日本の未来のためにデザインするのだ」と熱く訴える。

岡山県内各地で歌われている“わらべ歌”を、その地域の子どもが歌うのに合わせて、その歌に関係する歴史や風土を紹介する。◆この回は吉永町の「大なみ小なみ」。

四国で唯一の小さな朝鮮学校を通して、日朝関係のはざまで生きる在日朝鮮人の人々の思いを描くドキュメンタリー。ＦＮＳドキュメンタリー大賞ノミネート作品。◆２００２年９月１７日、日朝首脳会談で北朝鮮は初めて拉致事件を認めた。この日を境に日本にはかつてない朝鮮人バッシングが吹き荒れ、朝鮮学校に通う子どもたちも激しい逆風に晒された。在日朝鮮人は朝鮮学校を「ウリハッキョ（私たちの学校）」と呼ぶ。苦しみの歴史の上に生きる彼らにとって、学校は単なる勉学の場でなく、民族そのものを守り伝える拠点なのだ。世代によって民族に対する意識に違いがあるが、民族への誇りは変わらない。

北海道の豊かな自然、生きてきた人々の歴史や文化、生活、産業など、次の世代へ引き継ぎたい有形・無形の財産の中から、道民全体の宝物として選ばれた「北海道遺産」を、ハイビジョンで撮影された美しい映像と共に紹介する。◆観光客でにぎわうススキノ・ラーメン横丁。この横丁の前身は駅前通りにあった公楽ラーメン名店街。初代ラーメン横丁は昭和２６年から移転するまで１８年にわたってにぎわった。初代横丁時代からのれんの味を守る芳蘭と来来軒の味とは。