鹿児島神宮（鹿児島市）の拝殿は、歩くとキュッキュッと鮮やかな音を出す鶯張り。宝暦４年（１７５４年）に京都から宮大工を呼び寄せて造られたという仕組みを宮司さんが説明する。

１１月３日、鹿児島県大隅町岩川は真夜中の２時に夜が明ける。祭りに使う身長５ｍの弥五郎どん人形の組み立てが始まるのだ。正月より楽しいという弥五郎どん祭りへの想いを地域の人々が語る。

宮城県伊具郡丸森町大内は伊達藩時代からの養蚕どころ。今も県内の繭の約３割を生産する。昔、丸森の女たちは屑繭で自家用の織物を作ったが、今やその技術を伝える人も少なくなった。

富山県東砺波郡井波町は、井波彫刻といわれる欄間作りで知られているが、最近では新しい感覚を持った木彫作家も輩出している。伝統の中に新しい風が吹き始めた木彫りの町の姿を紹介する。

雨の少ない香川県の各地に受け継がれてきた雨乞い踊りを紹介する。ダムなどのおかげで水の心配も減り、信仰心も薄れた現在、祈りというより郷土芸能として保存の対象となっている現状も伝える。

７百年以上の歴史をもつ有田川（和歌山県）の鵜飼は徒漁法と呼ばれ、鵜匠は腰まで水につかって鵜を操る。毎年多くの観光客を集めるが、今年（１９７７年）はコレラ騒ぎで鵜飼は中止に追い込まれた。

山口県萩市の白魚漁を紹介する。漁は、長さ５ｍ、幅４ｍの網の四隅を十文字に組んだ竹に結んで川底に沈め時を見計らって引き上げるという長閑なもので、春の訪れを告げる風物詩である。

宮崎県の最南端、都井岬は野生馬とソテツの自生地で知られる。地元に伝わる大蛇退治の故事にならって９月中旬に行われる「都井の火祭り」を紹介する。