東京で暮らす沖縄育ちの少女を軸に、精神的風土の全く異なる土地で生きる者の葛藤を描く。作：森崎和江、水谷川忠俊。出演：大竹しのぶ、三ッ木清隆、鈴木光枝ほか。

鑑別所に入ってきた少年と指導教官の「内観」といわれる対話、電話相談員の声、少年たちへのインタビューなどをとおして、非行に走る少年たちの意識の核心に迫る。

芸能界の第一線で活躍中の人、あるいは故人となった人の舞台の録音やレコードに残された演奏などを交え、芸談、エピソードなどを聞くシリーズ「芸と人」。この回は山田流箏曲家の中能島欣一さんがゲスト。曲は「陽炎の踊り」ほか。聞き手は竹内三郎。

北海道発展の陰に今も残るアイヌの人たちへの差別。小学校時代を思い出すと今も涙が溢れてくるという女性がその辛い体験を語る。◆自然との調和の中に生きてきたアイヌ民族。エカシ（先人・年寄）先生のゲンコツは、アイヌの心の叫びであり、とどまるところを知らない乱開発への警鐘でもある。

思いもよらない人事異動の内示を受けた男の怒りと苦しみを、鬼界島に流された僧・俊寛の身に重ねながら描く。出演：内田良平、近藤洋介ほか。

奥飛騨・下呂温泉（岐阜県）の合掌村に定員２００人の劇場がある。ここで演じられているのは、たった一人で６０体もの人形を操る竹原文楽。伝統芸能ではないが下呂町の無形文化財に指定された。

那覇から北へ８０キロ、風光明媚な国頭郡大宜味村は芭蕉布の故郷である。リュウキュウイトバショウを原料に、すべて手作りで女性たちが織りあげる芭蕉布の魅力を紹介する。

沼の畔に住む男を主人公に、傷ついて故郷に帰れなくなった雁の話と街の生活に疲れた被爆二世の女を助ける話を交錯させながら中年男の魂の救済を描く。作：井伏鱒二、脚本：岩間芳樹、音楽：三枝成章。出演：白井正明、緑魔子、鈴木伸也ほか。