医師過剰時代と言われるなか、離島ではまだ医師が不足している。長崎県五島列島の島々を巡り、その現状と島の人たちの声を聞く。

ハンセン病療養施設のある岡山県長島と本土とを結ぶ橋が架けられる。いわれなき偏見に苦しんできた人々の喜びを伝える。

２６歳の若さで自らの命を絶った童謡詩人金子みすゞ。薄幸の詩人の生涯と、やさしさと淋しさに満ちたその作品を紹介する。

ＮＨＫ第２放送「盲人の時間」の担当ディレクターが、番組制作の中で知り合った最後のごぜといわれた小林ハルさんを通じ、ごぜさんたちの生活や村の人々のとのつながりをさぐる。

３億年の歴史を秘める秋吉台。その広大なカルスト草原に息づく生き物たちと自然の四季を音で浮かびあがらせる。案内役は庫本正さん（秋吉台科学博物館館長）。

上山草人は明治１７年宮城県仙台市の生まれ、戦前にハリウッドで成功した数少ない東洋人俳優である。草創期の新劇運動の渦中で活躍、挫折した渡米前の草人の姿を描くドラマ。脚本：津川泉、音楽：鳥養潮。出演：すまけい、松本典子、藤本孝ほか。

２８年も前から子供たちに昔話を語ってきたひとりのお年寄りの活動を通して、現代の親子のつながり、素朴な語りの持つ可能性を考える。

映画づくりに捧げる巨匠のこだわり、それは映像、役者、セットなど多岐にわたるが、音楽など音へのこだわりもまた、計り知れないものがある。黒澤監督は言う。「映画にいちばん近い芸術は、音楽である」。この番組では、黒澤映画に秘められた音楽や効果音との関係について、黒澤監督本人をはじめ、それに携わった作曲家の武光徹、佐藤勝、効果音を制作した三縄一郎へのインタビューを通して解き明かす。緻密に設計された音は映像と絡み合い、みごとな相乗効果をあげた。「酔いどれ天使」から「乱」に至るまでの９作品を題材に、映画のサウンドトラックを交えながら、黒澤作品の音の世界を分析していく。