蒸気機関車の引退を時代の転換期の象徴的な出来事としてとらえ、ＳＬの音を主役に新しく訪れる時代への予感を描く。ステレオドラマ。作：宮本研、音楽：広瀬量平。出演：森塚敏、左時枝、朝比奈尚行ほか。

桂小文枝（五代目桂文枝）による落語「貧乏花見」。◆仕事にあぶれた長屋の住人たちが花見に出かける。お酒でなくお茶けで盛り上がった後になれ合いの喧嘩を始め、騒ぎに巻き込まれるのを恐れて逃げ出した人々の料理を取って来て本物の酒盛りを始める。

笑福亭松鶴による落語「まんじゅうこわい」。◆若い者たちが集まって一番好きなものは何かという話をしていたが、次に一番怖いものの話になる。蛇や狐という者や怪談話を始める者などがいるが、そのうち一人がまんじゅうが怖いと言いだす。

笑福亭仁鶴による解説と落語「七度狐」。◆旅の途中の二人の男が一膳飯屋で竹の子とイカの木の芽和えをかっぱらって逃げ、食べたあとのすり鉢を田んぼに捨てた。それがたまたま昼寝をしていた狐の頭にあたり、怒った狐は二人をだます。

桂福団治による落語「寿命」。◆水売りを家業にしている男が知人の病気を機会に仕事をやめ、寿命探しを始める。手始めに近所を探し回るが見つからない。その後信州の山奥で見かけたといううわさを耳にして旅に出る。

露乃五郎（二代目）による解説と落語「鯉津栄之助」。◆藩主嫡男の名が鯉津栄之助のため「こいつはいい」と言ってはならぬという御触れが出た。その言葉を使った町人が捕まるが巧みに言い抜け、それに感心した役人が思わずこいつはいいと言ってしまう。

桂枝雀による落語「矢橋船」。◆琵琶湖を渡る乗り合い船に、侍、大きな鳥かごをもった男、戸板にのせられた病人、などが乗り合わせる。船上では色問答、無理問答をする者や、しびんで燗をして酒を飲む者などがいる。

桂文我（三代目）による解説と落語「崇徳院」。◆若旦那が茶店で会った娘に一目惚れして恋わずらい。店に出入りする熊さんは、娘が残した「瀬をはやみ岩にせかるる滝川の」という短冊を手掛かりに床屋、湯屋を回り歩いて相手のお嬢さんを探す。