ハンセン病療養施設のある岡山県長島と本土とを結ぶ橋が架けられる。いわれなき偏見に苦しんできた人々の喜びを伝える。

原因不明の痛みを訴える人が増えている。「痛み」研究の現状、それぞれの痛みの表現から診断を下す医師の苦労などを聞く。

作者・早坂暁は、昭和２０年最後の海軍兵学校生として四国から九州に渡り、終戦を迎えた。夏がくるたびに彼が思い出すのは、混乱の中で出会った人々の運命に翻弄されながら必死に生きる姿だ。作：早坂暁、音楽：北爪道夫。出演：林隆三、島本須美、中村明美ほか。

２８年も前から子供たちに昔話を語ってきたひとりのお年寄りの活動を通して、現代の親子のつながり、素朴な語りの持つ可能性を考える。

福岡市に東京高輪の泉岳寺と同じ四十七士の墓がある。その謂れを豪商が語るという設定の、元禄と８０年代を舞台とした現代的解釈の忠臣蔵異聞。脚本：奥山?伸。出演：栗田善成。

オノマトペとは擬態語・擬声語のことで、日本語で特に発達しているとされる。その生き生きとした表現力を見直す。解説は名古屋大学総合言語センターの水谷修教授。企画・構成：川崎洋。

フランキー堺・原作の同名小説をラジオドラマ化。浮世絵師・東州斎写楽の謎にとりつかれた映画俳優が江戸寛政期にタイムスリップしてしまい、写楽の正体を探ることになる。脚本：高橋辰雄、音楽：広瀬量平。出演：フランキー堺、近石真介。

映画づくりに捧げる巨匠のこだわり、それは映像、役者、セットなど多岐にわたるが、音楽など音へのこだわりもまた、計り知れないものがある。黒澤監督は言う。「映画にいちばん近い芸術は、音楽である」。この番組では、黒澤映画に秘められた音楽や効果音との関係について、黒澤監督本人をはじめ、それに携わった作曲家の武光徹、佐藤勝、効果音を制作した三縄一郎へのインタビューを通して解き明かす。緻密に設計された音は映像と絡み合い、みごとな相乗効果をあげた。「酔いどれ天使」から「乱」に至るまでの９作品を題材に、映画のサウンドトラックを交えながら、黒澤作品の音の世界を分析していく。