寒い冬の夜、福島市立子山では名物の凍豆腐作りがはじまる。普通の豆腐より固く作ったものを薄く切って外に出し、明け方凍った豆腐を取り込む。気温、風、雪で出来具合が違うと職人は語る。

長崎港入り口の伊王島にはふたつの古いカトリック教会があり、朝・昼・夕と日に３度のアンジェラスの鐘は人々の暮らしにとけこんでいる。日曜の礼拝には溢れんばかりの人が集まる。

空高く舞い上がるタコを長崎ではハタと言う。野につつじが咲き乱れる頃、休日の長崎港を見下ろす山々はハタ揚げに興じる人々で賑わう。その楽しそうな様子を伝える。

黒部第３発電所の建設に命をかけた男達の物語。掘削を阻む高熱の岩盤、宿舎に襲いかかる雪崩。立ちはだかる難関に男達が挑む。原作：吉村昭「高熱隧道」。脚本：山田隆之、音楽：佐藤勝。出演：藤岡琢也、西村晃ほか。

九州から職を求めて大阪に出たが、その後行方不明になった１７歳の教え子の消息を、雇い主、友人達の証言を手掛かりに懸命に追う中学校教師の姿を描く。

観光のシンボルになった平和祈念像を長崎の人たちはどう見ているのか。スタジオに一般の市民を集め、空想をまじえた質問をする。

北国の夏祭りの前夜。村に迷いこんだ娘と墓石作りの男の出会いを通して、土俗的な死生観の漂う日本人の“心の故郷”を描く。作：寺山修司、音楽：湯浅譲二。出演：奈良岡朋子、山谷初男、吉田日出子ほか。

四方を緑の山に囲まれた典型的な盆地として知られる大分県日田市の三隈川では、鵜飼が行われていた。鵜匠に操られた鵜は、一夜で１５センチの鮎を５０匹近く捕ることがあるという。