森繁久彌と加藤道子による二人芝居の文芸ドラマシリーズ。音楽は古関裕而。１９５７年４月７日より続く長寿番組。◆明治大正文学名作選「黒髪」：東京に住んでいる男が京都・祇園の芸者に一目惚れをする。男は女にこまめに手紙を書き送り、随分貢いでもいるが、女は一向に返事をよこさない。◆原作：近松秋江、脚本：伊藤海彦。

桂春團治による落語「代書屋」。◆代書屋に履歴書を書いてもらいに客がやって来た。本籍、住所、氏名、生年月日、学歴、職歴、賞罰などをたずねていくが、質問と関係のない余計なことまで答えるので話がかみあわずに手間がかかる。

貞享３年（１６８６年）３月、日向国伊東藩領佐野八重村の農民７７名が島津藩山之口へ逃散を企て、１１名が死罪となる事件があった。この史実を伊東、島津両家をめぐる確執の中に描く。

桂文楽（八代目）による落語「景清」。◆急に眼が見えなくなった木彫師の定次郎は赤坂の日朝様にお参りする。眼が直りかけたが隣でお題目を唱える女に邪念を起こし、また見えなくなる。今度は清水の観音様に願をかけ百日目に眼が開く。

戦前、国策として進められた満州（現・中国東北部）開拓。長野県泰阜村からはおよそ１６０世帯が開拓民として大陸へ渡った。今も中国に残る泰阜村出身者からの便りを紹介しながら、開拓と引揚の体験をつづる。

笑福亭松鶴（六代目）による解説と落語「一人酒盛」。◆酒があるから飲もうと友達を誘いこむが、燗をさせたり、刺し身をとらせたり、挙げ句にぬかみそを刻ませたりで一人で飲み、相手には飲むすきを与えない。友達はとうとう怒りだし、帰ってしまう。

明治維新以降の日本の近代化は、本当に庶民の幸福をもたらしたのか。明治・大正・昭和にわたる女床屋の泣き笑い人生を講談調の語りで描く。作：能勢紘也。出演：白石加代子。細三味線：今藤和歌治郎、太三味線：鶴沢清治、打楽器：藤舎呂悦。

解説と桂文我（三代目）による落語「胴乱の幸助」。◆いつも腰に胴乱を下げて歩いている幸助は喧嘩の仲裁をするのが道楽。喧嘩を見つけると仲直りをさせて酒を飲ませる。それを知っている男がなれ合いの喧嘩をして酒にありつこうとする。