明治維新以降の日本の近代化は、本当に庶民の幸福をもたらしたのか。明治・大正・昭和にわたる女床屋の泣き笑い人生を講談調の語りで描く。作：能勢紘也。出演：白石加代子。細三味線：今藤和歌治郎、太三味線：鶴沢清治、打楽器：藤舎呂悦。

戦前、国策として進められた満州（現・中国東北部）開拓。長野県泰阜村からはおよそ１６０世帯が開拓民として大陸へ渡った。今も中国に残る泰阜村出身者からの便りを紹介しながら、開拓と引揚の体験をつづる。

笑福亭松鶴による落語「まんじゅうこわい」。◆若い者たちが集まって一番好きなものは何かという話をしていたが、次に一番怖いものの話になる。蛇や狐という者や怪談話を始める者などがいるが、そのうち一人がまんじゅうが怖いと言いだす。

露乃五郎（二代目）による解説と落語「鯉津栄之助」。◆藩主嫡男の名が鯉津栄之助のため「こいつはいい」と言ってはならぬという御触れが出た。その言葉を使った町人が捕まるが巧みに言い抜け、それに感心した役人が思わずこいつはいいと言ってしまう。

桂小文枝による落語「悋気の独楽」。◆旦那の帰りが遅いので女房が店の者にどこへ行ったのかきいて回るが、要領を得ない答えしか返ってこない。そこで女房は旦那とともに出かけたはずが、ひとりで帰ってきた定吉を問いただす。

桂米朝（三代目）のインタビューと落語「宿屋仇」。◆同宿した河岸の若い者が飲んで騒いだ末、情事の行きがかりから人を殺したと得意げに話している。それを聞いた侍、懲らしめてやろうと敵相手だと名乗る。でまかせを話していた男は驚くがもう手遅れ。

昭和２９年に魚の行商をする女性たちを取材したディレクターが、２０年後に偶然その中の一人と再会した。その驚きと喜びに触発され新たに番組化。

桂小米（二代目桂枝雀）による解説と落語「宿がえ」。◆そこつ者の男、引っ越しが終わって女房に帚をかける釘を打ってくれと頼まれる。頼み方が気に入らないと腹立ちまぎれに釘を打つが、長すぎて隣家に抜けてしまう。典型的な粗忽噺。