家出少女が迷い込んだ「時空を超えた列車」の旅の様子を描く幻想的な物語。◆故郷と母親を嫌って家出をした少女が列車に乗り込んだ。そこで不思議な大人たちと知り合う。一人は「シュウさん」（太宰治）、もう一人は「修ちゃん」（寺山修司）らしい。少女はその二人と奇妙な会話を続けながら、青森の過去を生きた様々な人々に出会う。哀しく美しい幻影をくぐり抜けた少女は、終着駅・恐山で母親と再会する。脚本・演出：畑澤聖悟。出演：福士賢治、佐々木英明、木立美香ほか。

岩手県で開催の全国高等学校総合体育大会（インターハイ・’９９岩手総体）の熱戦の模様を伝える番組。パーソナリティが直接会場へ行き、選手たちとふれあって拾った生の声を放送する。この回（第９回）は最終回ということで、高校３年生の声を中心に、次の大会につながるように構成する。

今も多くの人に愛されている『三国志』。その物語における悪玉・曹操と善玉・劉備の対立という基本構造は、いつも変わらない。しかし、これは小説『三国志演義』に由っているためで、実は正史に出てくる曹操は大変魅力的な人物だという。三国志を研究している国際日本文化研究センターの井波律子教授が、並外れた振り幅を持つ曹操をはじめ、三国時代を駆け抜けた英雄たちの物語を楽しく語る。

いま世界は政治、宗教、民族の違いによる争いが後を絶たず、日本では民衆不在の政治が深刻である。民族対立、意見対立など、別々の方向を向いた人々が「和」を作ろうとする時、いかなる努力が必要なのだろうか。また、民衆の立場に立った政治哲学、それを支える活力は何なのだろうか。ガンジーが亡くなって半世紀、彼が今も発信し続けているメッセージを検証する。講師は名城大学の森本達雄名誉教授。

２０世紀から２１世紀へと世紀をまたぎ、シリーズで祝日のみに放送するスペシャル番組。この回は、２０００年を前にした最後の放送。ミレニアムに関するトークや、さだまさしが自身の楽曲を取上げて創作秘話を語る「唄とぼく」などで構成。

高度情報化社会の進展は、我々の生活に大きな影響を及ぼしている。それにともなって法制度も様々に修正はされている。しかし、急速な情報化の進展により、法的な問題が多発しているのが現状である。例えば報道とプライバシー、情報公開などの問題である。これまでになかった「情報法」という新しい法分野を概観し、そこにどのような問題があるかを解説する。講師は東京大学の濱田純一教授。

銀行員の橋本は、医療ミスから記憶を蓄積できない“ウェルニッケ脳症”を煩ってしまった。彼は新しい記憶を蓄積できない。自分の存在を確認できない夫のために妻は、消えて行く二人の時間をノートに記す。◆ある日、橋本は勤務先の銀行のミニコンサートを大成功に導く。彼は大学時代、オーケストラに所属していたのだった。たとえ自分の中に記憶が残らなくても、いっしょに過ごした人の心に思い出を残す生き方もあるのだと、希望を見出していく。平成１０年度ＮＨＫ札幌放送局オーディオドラマ脚本募集・入選作。脚本：今井雅子。出演：木藤玲子、斎藤歩、岡田雅夫ほか。

青森放送では毎年１２月２４日正午から２５日正午までの２４時間、音の出る信号機を寄贈する基金を募るために「ＲＡＢラジオチャリティミュージックソン」を生放送する。深夜枠は恒例の生ラジオドラマ。◆クリスマスの午前３時、深夜放送「電リクミッドナイト」がいつものように始まった。いつもならリクエスト電話がかかってくることはほとんどない時間帯。しかし、この夜は「家出した子供を探してほしい」という母親からの電話があってから、次々とその少年の情報が寄せられる。◆すべてを生（ライブ）進行で行った緊張感の伝わるドラマ。脚本：畑澤聖悟。出演：伊奈かっぺい、秋山博子ほか。