少子化時代の日本で問題となっている「静かな赤ちゃん＝サイレントベビー」に焦点をあてる報道ドキュメンタリー。◆赤ちゃんは「泣く」という行為で自らの要求を表すが、親が適切な対応をしてやらないと、表情の乏しい「サイレントベビー」になってしまう。紙オムツの普及などにより、親が子どもに話しかけるというコミュニケーションが希薄になっていることを取り上げ、便利さの代わりに失ってしまったものの重みを問い掛ける。

犯罪や事故の被害者や遺族には、その被害による心の傷とともに、事件に伴って起きる警察や報道機関との関係、被害に伴う治療費や収入の減少など、大きな負担がのしかかる。しかし日本では、これを支援する対策は極めて貧弱な状況に置かれてきた。富山市にある被害者・遺族の集まり「小さな家」や、松本サリン事件の被害者・河野義行さんへの取材を通して、対策の必要性を訴える。

銀行員の橋本は、医療ミスから記憶を蓄積できない“ウェルニッケ脳症”を煩ってしまった。彼は新しい記憶を蓄積できない。自分の存在を確認できない夫のために妻は、消えて行く二人の時間をノートに記す。◆ある日、橋本は勤務先の銀行のミニコンサートを大成功に導く。彼は大学時代、オーケストラに所属していたのだった。たとえ自分の中に記憶が残らなくても、いっしょに過ごした人の心に思い出を残す生き方もあるのだと、希望を見出していく。平成１０年度ＮＨＫ札幌放送局オーディオドラマ脚本募集・入選作。脚本：今井雅子。出演：木藤玲子、斎藤歩、岡田雅夫ほか。

稀代の漫談家であり、司会者でもあった西条凡児の音声資料が、凡児の没後７年を経て発見された。西条凡児の話芸に見られる毒舌、風刺には、人恋しさや懐かしさが漂っている。その話芸の本質を桂米朝、立川談志、上岡龍太郎という当代一流の話芸家が解き明かしながら、芸論、メディア論、コミュニケーション論を展開していく。

月～金曜日の午後４時１５分～５時１５分放送。株式を中心とする経済情報・投資相談番組。コンセプトは「個人投資家向けに、わかりやすく」。この回の放送では、人間の性格別に投資信託という金融商品の選び方を専門家が解説。また、投資信託の運用を担当するファンドマネージャーの良し悪しの見分け方を紹介する。

懐徳堂は１７２４年、処世の指針を儒学に求めた商人たちによって大坂の船場で開学した。運営も町人たちによってなされ、町人が学び育てた学問の場である。講義の中心は公開講義であり、家業に携わる人々のために朝と昼に開講されていた。この講義では、“生涯学習”の始めとも言える懐徳堂の資料をもとに、当時の商人たちにどのような講義がなされていたかを紹介し、懐徳堂の果たした役割を考える。講師は大阪大学の脇田修名誉教授。

２０世紀から２１世紀へと世紀をまたぎ、シリーズで祝日のみに放送するスペシャル番組。この回は、２０００年を前にした最後の放送。ミレニアムに関するトークや、さだまさしが自身の楽曲を取上げて創作秘話を語る「唄とぼく」などで構成。

ある「便利屋さん」を取材。便利屋へのこだわり、誇りを描く。◆便利屋「猫の手サービス」を経営している男性“たかちゃん”。料金は１時間三千円。さまざまな依頼が舞い込むが、準備の手間や時間、交通費などがばかにならない。しかし「可能な依頼はすべて受ける」の意気で、便利屋さんは今日も依頼をこなしていく。