鹿児島で昭和初期まで奏でられていた「薩摩たて琴」。しかし現在では楽器も奏者もほとんど残っていない。消えゆく運命にある薩摩たて琴の復活に取り組んでいる筝曲家の橋口歌裕さん・敏美さん夫妻の活動を描く。

北海道にゆかりの人物、開拓や発展に尽くした人物を、ドキュメンタリータッチに朗読で紹介する番組。（２０００年１０月８日放送開始）◆この回は、北海道農業の父エドウィン・ダンとその精神を引き継いだ町村金也を取り上げる。ダンは明治初期にアメリカより指導者として招かれ、８４歳で亡くなるまで北海道の農業開発に大きく貢献した。町村は真駒内牧場の技師としてダンから指導を受けた。

静岡県は全国でも有数のお茶産地。かつて茶畑では作業歌として「茶摘み歌」や「茶節」が歌われていた。しかし作業の機械化やお茶農家の高齢化が進み、今となってはごく僅かしか茶摘み歌を知る人はいない。一人の外国人の目を通して、茶摘み歌の起源や歌の中にある昔の暮らし、人々の思いを探る。

花柳三代菊さんは８０歳、芸の道を歩んできた。三味線を弾いたり、唄ったり、踊ったり、一人で何役もこなす。長野県飯田市に生まれ、三味線と踊りに生きてきた三代菊さん。芸者としての暮らし、結婚、出産、病、そして現在。三代菊さんの人生をインタビューを交えて紹介する。

原爆で命を奪われた級友と対話する女性の心象を描く。実際に動員中被爆した人の証言も挿入されるドキュメンタリードラマ。◆原爆投下から５５年後の夏、平和記念資料館に残された被爆ピアノを通じて、矢島治子は女学校の同級生であった浅丘文恵の１３歳のままの幻と出会う。原爆の閃光の一瞬、白い闇に封じ込まれた少女は、自分が死んだことにさえ気付いていない。文恵の魂が救われるよう祈って、治子は語りかける。脚本：毛利恒之、音楽：横山菁児。出演：日色ともゑ、狩野直美ほか。

小笠原諸島で歌い継がれている「南洋踊り」と「古謡」。その独特な音楽の由来について、島々を訪ねて聞き歩く。人々に語られる波瀾にとんだ歴史の中から、人と人とを繋ぐ「歌」の不思議な力が浮かび上がってくる。出演は小笠原古謡をうたうバンド・ＲＩＮＧ　ＬＩＮＫＳ（リングリンクス）の宮武希ほか。

地域文化活動の一環である合唱団の４０周年を記念して、松江ゆかりのラフカディオ・ハーン（小泉八雲）の「雪女」からオリジナル合唱曲を制作。その発表会を録音中継するとともに、曾孫の小泉凡さんへのインタビューなどから、「へるん先生」ことハーンの人物像を探る。

言葉の聞き取り、発音、読み書きが不自由になる失語症。脳動脈瘤破裂で倒れ、失語症と右半身麻痺に陥った女性に取材する。彼女の言葉を回復しようと奮闘する夫や家族の愛情深い取り組みを通して、医学的にも未解明であり、社会的にも理解が進んでいない失語症の実情を検証する。