戦争という「過去」と老人ホームという「現在」の二つの時間軸を使い、人を想う心の尊さを描き、幸せとは何かを問うドラマ。◆戦時の極限状態の中、１９歳の特攻隊員・栄一と２１歳の女子挺身隊員・まさ子は、かなわぬと思いながらも将来の再会を約束していた。そして青森県のとある老人ホームで、夢か現実か、二人は老人となって再会する。脚本：畑澤聖悟。出演：愚安亭遊佐、真木小苗ほか。

北海道小樽市の一部の公衆浴場が「Ｊａｐａｎｅｓｅ　Ｏｎｌｙ（日本人専用）」の看板を掲げ、外国人の入浴を制限した。これに対し、入浴を断られた人たちが裁判を起こすなど、市民を巻き込んだ論争へと発展している。「人種差別」というだけでは片付けることの出来ない、その問題の本質に様々な視点から迫る。

「白線流し」は高校卒業時に制帽の白線と白いスカーフを結び、近くの川に流すという飛騨高山の伝統行事。木村美保さんは１９７９年にこの行事をモチーフにした歌「白線流し」で歌手デビューしたが、まもなく引退した。そして現在、病気で耳が聞こえなくなりつつある木村さんは、自分の歌声を残そうと再び「白線流し」を歌いＣＤにする。

１９９６年１月、宇宙飛行士・若田光一さんを乗せたスペースシャトル「エンデバー」が打ち上げられた。それは彼の夢が現実になった瞬間であった。本人やお母さんへインタビュー取材し、宇宙飛行士になるという夢に近づこうと努力を続けてきた若田さんの姿を描く。

岩手県釜石市の花柳界に伝えられてきたお座敷唄「釜石浜唄」は、かつて街の繁栄とともに盛んに歌い踊られ、市民に愛されていた。しかし製鉄所の高炉休止や主軸産業の漁業の不振などにより、街の活気がなくなって浜唄も人々から忘れ去られていった。そんな中、７６歳の今も現役でお座敷を守る藤間千雅乃さんは、ただ一人で浜唄を歌い続けている。藤間さんの生き方を通じて「釜石浜唄」の魅力を紹介する。

２０世紀の文学の中でも最も評価の高いマルセル・プルーストの『失われた時を求めて』について、今回個人訳を完成する予定の講師が、プルーストの小説の世界をどう読むか、またその現代文学における意味は何かを語る。講師は獨協大学の鈴木道彦名誉教授。（全４回）◆第２回は、『失われた時…』の持つ知的構造をコンブレーの二つの散歩道を手がかりに読み解くと共に、当時の社交界とスノビズムについて考える。

岡山県に住む女性は１９５５（昭和３０）年に起きた森永ヒ素ミルク中毒事件の被害者。会社が誤って作ったヒ素入りのミルクを飲み、幼い頃から内臓疾患や肺炎など様々な病に苦しんできた。何年か後にガンを発症する可能性が高いと診断された彼女は、２人の子どもと交換日記を始めた。病気のこと、友人の死などを日記に記しながら、親子は命の尊さについて語り合っていく。

歌謡曲『ここに幸あり』『酒は泪か溜息か』の作詞者として知られる高橋掬太郎の本籍地は、父親の生まれ故郷である岩手県岩手町であった。生涯で３０００余りの作品を残した掬太郎は、本籍がある岩手町にこだわり続けた。◆岩手での掬太郎生誕１００年メモリアルコンサート開催が契機となって、なぜ彼が本籍の地・岩手にこだわったのかについて真相が探られる。掬太郎と親交のあった詩人サトウハチローの次男で、サトウハチロー記念館・叱られ坊主館長の佐藤四郎氏が出演。