色々な意味で日本のポピュラー音楽の歴史において希有な存在・小椋佳に、音楽ジャーナリスト・ノンフィクション作家の田家秀樹がインタビューする。音楽活動３０周年の２０００年にリリースした「デビュー」というアルバムの話に始まり、学生時代・寺山修司との交流、大ヒット曲を持ちながらの銀行員時代、自身の病気・今の心境、などが語られる。

戦争という「過去」と老人ホームという「現在」の二つの時間軸を使い、人を想う心の尊さを描き、幸せとは何かを問うドラマ。◆戦時の極限状態の中、１９歳の特攻隊員・栄一と２１歳の女子挺身隊員・まさ子は、かなわぬと思いながらも将来の再会を約束していた。そして青森県のとある老人ホームで、夢か現実か、二人は老人となって再会する。脚本：畑澤聖悟。出演：愚安亭遊佐、真木小苗ほか。

１９３１年４月６日に放送を始めたＮＨＫラジオ第２放送は、２００１年に７０周年を迎えた。これを記念して各分野で活躍をしている人たちに「私と生涯学習」というテーマで話を聞くシリーズ。◆この回は、漫画家の里中満智子氏を迎える。里中さんは子どもの頃からの活字好きで漫画好き。活字から受ける感動も漫画から受ける感動も作品しだいであると言い、かつて漫画が否定されていた悔しさが、漫画家になることを決める動機になったと語る。また人生とは知ることの積み重ねであり、年齢を重ねるのは楽しみだと里中さんは言う。聞き手：好本恵。ＮＨＫラジオ第２放送７０周年記念番組。

写真家・渡部佳則氏が撮影のときに出会った町、風土、人とのふれあいなどをショートストーリー風に語る。◆新潟県塩沢町の無形文化財「越後上布」の雪さらし、国道２８９号・県境の八十里峠で見上げた空、栃尾市にある油揚げの老舗「いなじゅう本舗」の思い出が語られる。

まるで抜け出せない迷路に入り込んだように、わが子に対する虐待行為がやめられない母親たち。彼女たちに取材し、児童虐待の実態をレポートする。◆全国の児童相談所に多くの相談が寄せられるが、子どもたちを受け入れる施設は民間が中心で、母親の心のケアをする制度もないのが現状である。番組に登場する母親たちは、民間団体の取り組みを通じて、次第に子どもたちとのふれあいを取り戻していく。

聴覚障害・筋ジストロフィーというハンディキャップにも負けずエレキギターをマスター、ついにライブハウス・デビューを果たした男性を取材する。◆松本道治さんは生まれつき両耳が不自由だったが、中学生の時にグループサウンズに憧れてドラムスをはじめた。そして働きながらバンド活動を続けていたが、筋ジストロフィーを患い車椅子の生活を余儀なくされる。しかし松本さんは独学でエレキギターをマスターし、彼を応援する人たちの助けを得て、念願のライブハウス出演をする。

人は年を重ねて高齢者になった時、何をどのように思うのだろうか。東京都小金井市に居住する７０歳以上の高齢者を対象に、１５年にわたって行われた老年期の人格の追跡調査を元に、高齢者の心を読み解く。人は人生の様々なステージで人格発達の課題を持つが、生涯の最終段階に至ってもなお、発達を続ける可能性を持つ。それは、これまでの人生を肯定し、死を受容するという、最後の人格形成である。講師は文京女子大学の下仲順子教授。

歌謡曲『ここに幸あり』『酒は泪か溜息か』の作詞者として知られる高橋掬太郎の本籍地は、父親の生まれ故郷である岩手県岩手町であった。生涯で３０００余りの作品を残した掬太郎は、本籍がある岩手町にこだわり続けた。◆岩手での掬太郎生誕１００年メモリアルコンサート開催が契機となって、なぜ彼が本籍の地・岩手にこだわったのかについて真相が探られる。掬太郎と親交のあった詩人サトウハチローの次男で、サトウハチロー記念館・叱られ坊主館長の佐藤四郎氏が出演。