病の後遺症で画筆を絶っていた日本画家と絵の好きな少女との交流を描くドラマ。◆脳こうそくで倒れて以来、絵を描くのをやめていた日本画家の川合國夫は、夏休みの自由研究で「私の植物図鑑」を作りたいという少女・麻里と出会う。麻里は交通事故に遭ってから、右足が不自由になっていた。國夫も後遺症で右半身が不自由である。やがて、國夫は麻里に絵の描き方を教えるようになっていく。第１４回銀の雫文芸賞最優秀作品。原作：高田慧、脚色：西村務、音楽：宮城孝佳。出演：滝田裕介、吉村実子、小川亜美ほか。

歌謡曲の作品世界の分析を通して、戦後日本の高度成長期における故郷から都会へと向かった時代の移り変わりと社会心理史の変容を探る。あわせて、時代を記録することとその歴史を理解することの意義を考える。講師は北海道大学の金子勇教授。（全２回）◆第２回は、都市の新しいライフスタイルを歌った“都市派歌謡曲”から、都市の青春像を歌った“青春歌謡”への変化と、その背景を探る。

アイヌ語の初歩的な文法を、例文をもとに学習する番組。またアイヌの生活や文化が紹介される中で、アイヌ民族のものの考え方や見方について理解を深める。「アイヌ文化振興・研究推進機構」が行う事業の一環として放送。◆第２回はアイヌ語の発音の２回目。「ッ」など、つまる音について。講師：大須賀るえ子。

歌謡曲『ここに幸あり』『酒は泪か溜息か』の作詞者として知られる高橋掬太郎の本籍地は、父親の生まれ故郷である岩手県岩手町であった。生涯で３０００余りの作品を残した掬太郎は、本籍がある岩手町にこだわり続けた。◆岩手での掬太郎生誕１００年メモリアルコンサート開催が契機となって、なぜ彼が本籍の地・岩手にこだわったのかについて真相が探られる。掬太郎と親交のあった詩人サトウハチローの次男で、サトウハチロー記念館・叱られ坊主館長の佐藤四郎氏が出演。

歌謡曲の作品世界の分析を通して、戦後日本の高度成長期における故郷から都会へと向かった時代の移り変わりと社会心理史の変容を探る。あわせて、時代を記録することとその歴史を理解することの意義を考える。講師は北海道大学の金子勇教授。（全２回）◆第１回は、農村から上京した人たちの心情を歌った「別れの一本杉」などの“ふるさと派歌謡曲”から、都市風俗を洗練されたスタイルで歌った「有楽町で会いましょう」などの“都市派歌謡曲”への変遷をたどる。

昭和２０（１９４５）年３月文部省は、広島に女子の最高学府である女子高等師範学校の創設を決定、全国各地から一期生となる８１人が集まり、７月に入学式が行われた。８月６日、原爆の投下地点から１．７キロという校舎の教室で一期生全員が被爆、その日のうちに７人が死亡した。そして８月１５日終戦、１０月の授業再開、１２月の校舎移転…。広島女子高等師範学校第一期生の文集を市原悦子が朗読、一期生自身の証言を交えて彼女たちの戦後を描く。「放送ウーマン賞２００１」受賞（佐藤園子ディレクター）。

１９３１年４月６日に放送を始めたＮＨＫラジオ第２放送は、２００１年に７０周年を迎えた。これを記念して各分野で活躍をしている人たちに「私と生涯学習」というテーマで話を聞くシリーズ。◆この回は、翻訳家の渡辺啓三郎氏を迎える。ドイツ語と日本語の翻訳の仕事をしている渡辺さん。翻訳の仕事には幅広い知識が要求され、経済や社会情勢にも深い理解が必要であると言う。いろいろな分野の知識が得られるので、ラジオ第２放送をよく聴くという渡辺さんにその魅力を語ってもらう。聞き手：好本恵。ＮＨＫラジオ第２放送７０周年記念番組。

２００１年４月、大阪市東住吉区で模擬原爆犠牲者慰霊碑の除幕式が行われた。太平洋戦争終盤、原爆実験に成功したアメリカは、広島への投下の１１日前に大阪で模擬原爆を使った投下訓練を行っていたのである。模擬原爆投下当時の記録を探りながら、地元でも知る人の少ない模擬原爆投下の事実と、実際の原爆に今も悩み続ける人たちの証言を紹介し、戦争体験を風化させることのないよう訴える。